『Phased』:2D ゲーム制作における Unity 活用のケーススタディ
2017 年 6 月に、Tim van het Kaar 氏と Joshua Boren 氏がゲームジャムプロジェクトに向けて変身モノのジャンルにひねりを加えるアイデアを思いついたとき、2 人はこのように考えました。「これはいいアイデアだ。本格的なプロジェクトとして取り組み続けたほうがよいのでは」と。その後、2D ソリューション制作用の Unity によって制作パイプラインがスムーズになり、プロジェクトはそのまま継続されました。気がつくと、彼らは共同で制作に取り組むためにチームを組み、彼らのプロジェクトは Unite Europe 2017 の Made with Unity ショーケースにて特集され、2018 年に『Phased』を本格的なゲームとしてリリースすることになりました。
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ゲーム
Phased。EpicHouse Games が開発した変身モノの 2D プラットフォーマー。独特のアートとユーザーを魅了するゲームメカニクスが特徴
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目標
彼らのユニークなゲームジャムのアイデアを形にし、リリースまでこぎつけること
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プラットフォーム
Windows、他のプラットフォームでもリリース予定
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チームメンバー
2
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所在地
ハーグ、オランダ
カリフォルニア州ロサンゼルス
Tim van het Kaar, co-founder and developer at EpicHouse Studios, talks about how Unity 2D features like the Tilemap tool, made it possible for two part-time developers to create a showcase game in their spare time.
魅力的な変身モノ 2D プラットフォーマー
導入障壁の低さと効率的な 2D ツール、そして拡張性に優れた Unity エンジンを利用することで、Tim van het Kaar 氏と Joshua Boren 氏は実験的なプロジェクトだったこの作品を、ヒットの期待できる本格的なゲームへと進化させました。
その成果は以下のとおりです。
- タイルマップにより、週あたり 10〜20 時間の開発時間を削減
- 2 人のチームがリモートで共同作業し、約 9 ヶ月で『Phased』を開発
- Unite Europe 2017 の「Made with Unity Showcase」で紹介される
気づいたら本格的なゲームを制作していた
ゲーム開発者向けのソーシャルコミュニティウェブフォーラムで出会った Tim van het Kaar 氏と Joshua Boren 氏は、ゲームジャムにて、一緒にゲームを作ることができたらきっと楽しいだろうと確信しました。Unity の継続的なアップデートに伴い、Unity の 2D ツールのラインナップが拡充されているため、限られた時間とリソースの中で素晴らしいゲームを制作できることに、2 人の開発者はすぐに気づきました。
「ゲームジャムのテーマは変身でしたが、他の開発者は全員キャラクターを変身させていました。何か違うことをしたかったので、キャラクターを変身させる代わりに、世界を変身させました」と Van het Kaar 氏は述べています。
『Phased』の世界の主人公は夏休み中の女の子で、ある日目を覚ますと現実を歪める能力が備わっていました。これは、よく知られているプラットフォームのジャンルの捉え方として斬新でした。Unity の低い参入障壁のおかげで、彼らはアイデアを形にすることができました。
「Unity なら、誰でもゲームを制作し、より良いものに仕上げることができます。しかも、フルタイムのゲーム開発者でなくでも制作を開始できます。学校に通っていても、フルタイムの仕事をしていても、制作を開始できるのです」と van het Kaar 氏は言っています。
「私たちは 2 人で制作しています。一方は学生で、一方はフルタイムの仕事をしていますが、それでも空き時間で制作したゲームがまもなくリリースされるところです。Unity のおかげで、時間を大幅に節約できるからだと思います。」
タイルマップによって 2D ワールドの構築がどれほど簡単になったか
Unity の継続的なアップデートに伴い、Unity の 2D ツールのラインナップが拡充されることにより、限られた時間とリソースの中で素晴らしいゲームを制作できることに、2 人の開発者はすぐに気づきました。
『Phased』の制作を開始した当時は、2D タイルマップの実験的バージョンがプレビューバージョンとして公開されたばかりで、2 人の開発者はそれを試してみることにしました。
「このツールはブラシや機能で拡張できるため、それが私たちのワークフローにぴったりであることにすぐに気づき、新しいレベルのプロトタイプ作成とイテレーションを非常に簡単に行うことができました」と van het Kaar 氏は述べています。「ある機能を別のシーンで試し、問題なく動作することを確認した後は、その機能をメインのステージに配置するだけです。つまり、準備が整う前に何かを壊す必要がなかったということでした。」
EpicHouse がどのようにしてタイルマップを使用したかをご覧ください。
スプライトシートのサポートによりスライシングとダイシングにかかる時間を短縮
van het Kaar 氏のお気に入りのもう 1 つの 2D 機能は、スプライトシートのサポートでした。これにより、シーンをはるかに短時間で簡単に構築できました。
「通常のスプライトシートのテクスチャを投入し、ボタンをクリックするだけで、スプライトシート全体を配置できます。実際にはゲームに合わせて配置されているため、きちんと並べられていないものがあった場合でも、好きなようにつなぎ合わせることができます。」
「タイルマップとスプライト機能のおかげで、毎週作業にかかる時間を何時間も節約できました。実際、これらの 2D 機能がなければ、この規模のゲームを 2 人の空き時間で制作することはできなかったでしょう」と van het Kaar 氏は述べています。
スプライトシートのサポートにより、EpicHouse が 2D 画像をどれほど簡単に処理できるようになったかをご覧ください。
そこになれけば、ビルドしましょう
2 人のクリエイターは、Unity に搭載されている 2D 機能を活用するだけではなく、自分たちの作業方法に合わせて拡張できるという Unity エンジンの特徴にも着目しました。
van het Kaar 氏は次のように述べています。「1 つのエンジンでさまざまなゲームのすべての問題を解決することはできませんが、Unity の素晴らしい点は、エディターを拡張することで開発作業に必要なツールを作れるということです。」
「たとえば、攻撃しながら体長を増す敵キャラがあるのですが、長くなったときのフレームでは、より長いコライダーが必要になります。そこで私たちは、コライダーを移動させながら、スプライトアニメーションの各フレーム間でそれらをスケーリングするためのツールを作成しました。そうすれば、1 ピクセルごとにチェックする必要がなくなりますからね。」
また彼らは、Unity エディターを自分たちで拡張するだけでなく、Unity アセットストアからツールを見つけてきて追加することもあります。特に、Rewired は入力制御に非常に役立ったと言います。
「これを使えば、各種のコントローラーごとに設定を行わなくても、任意のコントローラーで操作できるようになります。プラグインするだけで、特定のコントローラー機能を利用できるんです。PC で PS ライトバーを使用するとかね。実に便利です」(van het Kaar 氏)。
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