Trivia Crack を複数のプラットフォームに同時に載せるには?

Etermax は開発を簡素化し、柔軟なツールにアクセスし、iOS と Android に同時に出力するために Unity を選びました。

Etermax:Unity 開発者のケーススタディ

大成功を収めているスタジオは、デュアルトラックのネイティブコードの開発パスから単一のクロスプラットフォームツールに移ることを決めています。2009 年に設立された Etermax 社は、5 億人以上プレイヤーがいる『Trivia Crack』(スペイン市場では『Preguntados』)で最もよく知られている大手スタジオです。Etermax 社が開発を Unity で統合した理由を紹介します。

  • プロジェクト

    Unity チームは市場をリードするゲームを改良しながら 1 つの開発プラットフォームで作業

  • 目標

    冗長なワークフローを取り除き、アーティスト向けの Unity の豊富なツールセットを活用する

  • プラットフォーム
  • プロジェクトのスタッフ

    Trivia Crack40(Unity 使用前)、Trivia Crack 2:15(Unity 使用)

  • 企業情報

    アルゼンチンのブエノスアイレス(本社)、ウルグアイのモンテビデオ、ドイツのベルリンで 220 人以上

1 週間で 500 万ダウンロードはただごとではない

Etermax 社は当初は iOS と Android のそれぞれのネイティブコードを使って『Trivia Crack』のそれぞれのバージョンを並行して構築していました。 しかし、複数の開発トラックを維持するにはかなりのオーバーヘッドが発生していました。 そのうちに、「1 つのコードソースで複数の出力」という強みと Etermax 社内の一部の開発者やゲームスタジオ仲間からの人気で、Unity への移行の利点が乗り換える大きな理由になりました。

その成果は以下のとおりです。

  • 初週 500 万ダウンロードによりローンチが大成功を収め、米国で売上トップ 5 の雑学クイズゲームになった。
  • 複数のプラットフォーム(モバイル、ウェブ、PC)にすばやくエクスポートできる単一のコードベース
  • 小規模のチームとすばやいプロトタイピングによって、より効率的かつクリエイティブな開発が可能になっている
  • Unity のプレハブアセットとアニメーションシステムにより、数多くの芸術的自由度と時間節約の利点がもたらされている
  • 何千もの無料または低価格のアセットがある Unity アセットストアへのアクセスにより、Unity クリエイターの貴重な時間と労力を節約できる
Unity を使用する数多くのメリット

Etermax 社のユーザーは Question Factory がお気に入りです。

Etermax 社の CEO Maximo Cavazzani 氏はワードゲームのシリーズから始めて、最も成功を収めた『Aworded Crack』(以前は『Angry Words』)は Apple Store の「Best Game of 2012」を受賞しました。Etermax 社はモバイル版の『Pictionary』で Mattel 社とも提携していました。「これらのゲームで成功した後に、雑学アプリを制作することを考え始め、そして『Trivia Crack』が生まれて、2013 年にラテンアメリカでローンチされました」。

しかし、雑学ゲームへの関心を維持させるには、新たなコンテンツ(特にローカライズされたコンテンツ)を生成するという非常に大きな課題があります。「たとえばメキシコに住んでいる人々は、スペインに住んでいる人々と同じ質問は望みません」と Maximo 氏は言います。独自のアプローチを得るためのブレインストーミングで、それぞれの地域のユーザーにコンテンツを作成して独自の質問と回答を寄与してもらうようなゲームを設計しました。「Question Factory」という名前を付けたこの機能が大好評を得て、『Trivia Crack』は、2014 年 12 月に始まって 60 日連続で Apple Store の最もダウンロードされたアプリになりました。

このような成功のおかげで、Etermax 社はラテンアメリカで最も急成長中のゲーム開発会社になっています。そして Cavazzani 氏は、この驚異的な成長の理由について「Etermax 社がゲーム会社ではなく『素晴らしいアイデア』の会社だからです」と即答しています。

2 つの別々のバージョンを維持することの面倒さ

Trivia Crack』の iOS と Android のバージョンは同時にローンチされましたが、Etermax 社での開発は完全に分断されていて、1 つのチームは Xcode を使い、もうひとつのチームは Android Studio を使っていました。 Etermax 社は、それぞれのプラットフォームでの専門知識がある人材を見つける必要があり、2 つのチームが同調することはなく、プラットフォームごとに異なるバグの影響を受け、最終的な 2 つ製品は見た目はほとんど同じですが 2 つの別々の会社でビルドされていました。

さらに、触覚センサーを必要とするルーレット盤などの機能をネイティブコードでプログラムすることは困難でした。 このような問題により、Etermax 社はネイティブツールを捨ててクロスプラットフォームの新しい開発ツールを採用することを検討するようになりました。

Etermax 社のテクニカルオーナー Pablo Iacopi 氏によると、「私たちは最初にオープンソースのライブラリ libGDX をテストしましたが、その互換性に確信を持てませんでした。 libGDX には欠点として、学習曲線がかなり急勾配であり、独自の GUI をつなぎ合わせる必要がありました」。また、既存のプラットフォーム固有コード上に構築し、新しい要素については共通ロジックレイヤーを使ってから別のプラットフォームにエクスポートする必要がある React Native の使用も検討しましたが、 Etermax 社の第一の目的である、開発の統一を適切に実現することはできませんでした。

Unity を選んだ理由

Etermax 社の数人の開発者は Unity の使用経験があり、Etermax 社は、業界仲間の数人が Unity を熱烈に展開していて、Unity が急速に人気のあるプラットフォームになっていることに気付いていました。「他の会社が Unity を選択しているのを見て自信を得て、私たちは Unity を推奨していた自社の開発者を信頼していたので、Unity を試してみることにしました」と Etermax 社のエンジニアリング担当 VP Gonzalo Huertas 氏は言います。実際に、『Trivia Crack 2』の開発リーダーは Unity エキスパートでした。

彼らはいくつかのプロトタイプを開発し、スピードとパフォーマンスをテストし、その結果が決定的でした。Gonzalo 氏は言います。「Android やバックエンドの経験がある開発者が C# に移行するのはとても簡単でした。他のチームでも、Unity への切り替えは非常に分かりやすいものでした。私たちはプロセスを効率化するために Unity を選びました。2 つの異なるコードベースでの開発を続けるのではなく、1 つの開発ワークフローだけで済ませて、同じコードベースから多数の異なるプラットフォーム用に楽々と出力できるようになりました」。さらに、Unity によって、設計タスクが統合されるため、開発者は他のツールからインポートすることなく、後からグラフィック要素を変更できます。

重要なのは、Unity に切り替えることによって、すばやいプロトタイピングと、より小規模でさらにレスポンシブなチームが可能になり、それがゲーム開発に関する会社の概念を根本的に変えたことです。Pablo 氏はこう言っています。「以前は、できる限り製品候補を生産できるようにゲームを仕上げていましたが、今では、実用最小限の製品(MVP)を作成してから広範な指標を収集できるようになりました。このことは、さらに素晴らしいゲームを制作するのに役立っています。」

プレハブアセットとアニメーションシステムによる多くの利点

Unity 2018.3 を使ってみて Pablo 氏はこう明かしています。「私たちにとって非常に重要な Unity の機能の 1 つは、プレハブアセットをネストできることであり、それによってビジュアルインターフェースの構築が大幅に簡素化されます。また、キャラクターだけでなく、さまざまなシーンで使う多数の共通ウィジェットがあり、それらを自動的に更新できます」。ウィジェットをプレハブアセットとして構築することで、Etermax 社は 1 回のコード変更で、ネストされたすべてのアセットを同時に更新できるようになります。Pablo 氏は「グリフアトラスを実行時にビルドできる Unity の機能(動的フォント機能)は、中国語や日本語の文字セットで本当に便利です」と付け加えています。

Trivia Crack』は、次元的には明らかにフラット 2D デザインの作品です。2D ではオブジェクトの選択が簡単になり、スクリーンロケーションが非常に正確であり、UI 全体がきれいでシンプルな感じがします。Etermax 社は、豊富で拡大し続ける Unity のアニメーションシステムを活用して、2D スプライトをアニメーション化し、さまざまなクリップを管理し、ルールやタイムラインを使ってアニメーション間を遷移できます。

非常に高速なゲームプレイ:パフォーマンス向上のコツの共有

Trivia Crack 2』はオリジナルゲームのほとんどの機能と新しいゲームモードが一緒にパッケージされていますが、ロードは高速であり瞬時に感じます。Pablo 氏はそのコツをこのように言っています。「私たちは『Trivia Crack 2』に多くの機能を追加することから始めたので、初回ロードが急に限度を超えてしまいました。そのため、Unity のパフォーマンスツールがどのように役立つかを調べました。初回ロードで何が行われているかを測定することから始めて、いつもあらゆるものを無差別にロードするのではなく、実際は使われるときにその場所でのみロードされるようにゲームの負荷を分散しています」。

この会社はその経験と学習したことを Unity コミュニティで積極的に共有しています。Etermax 社の Unity のパフォーマンスのコツに関する記事があり、エンジニアリングチームのブログにはさらに多くの記事が掲載されています。

この「すばらしいアイデア」の会社は次に何をやってくれるのか?

Etermax 社は、『Trivia Crack 2』の効率化された統一ワークフローを他の会社のタイトルで再現することを計画しています。対象となるタイトルの多くには数百万人の DAU(1 日あたりアクティブユーザー数)がいて、そのうちのいくつかを Unity を使ってリファクタリングすることが計画されているようです。

Unity の広範な機能によって、他のゲームジャンルで実験でき、カタログを多様化させることができます。それ実験のいくつかは有名な『Trivia Crack』のマスコットを主役にした 3D ゲームです。

また、この革新的なスタジオからのエキサイティングなものの伏線として、最近の Etermax 社内のハッカソンでは Unity と Vuforia の機能を統合して、拡張現実(AR)のプロモーションコラテラルが制作されています。

そして、Unity の導入による開発プロセスの効率化と迅速化が完了した今、Etermax 社に唯一残された質問は「次に誰もが熱中する Etermax 社の新しいゲームは何?」です。これは、この雑学好きのスタジオにとってトリビアとは言えないでしょう。

Gonzalo Huertas, VP of Engineering, Etermax

「私たちはプロセスを効率化するために Unity を選びました。 2 つの異なるコードベースでの開発を続けるのではなく、1 つの開発ワークフローだけで済ませて、同じコードベースから多数の異なるプラットフォーム用に楽々と出力できるようになりました」。

Gonzalo Huertas, VP of Engineering, Etermax
Pablo Iacopi, Technical Owner, Etermax

「私たちにとって非常に重要な Unity の機能の 1 つは、プレハブアセットをネストできることであり、それによってビジュアルインターフェースの構築が大幅に簡素化されます。また、キャラクターだけでなく、さまざまなシーンで使う多数の共通ウィジェットがあり、それらを自動的に更新できます」。

Pablo Iacopi, Technical Owner, Etermax
Gonzalo Huertas, VP of Engineering, Etermax

「他の会社が Unity を選択しているのを見て自信を得て、私たちは Unity を推奨していた自社の開発者を信頼していたので、Unity を試してみることにしました」。

Gonzalo Huertas, VP of Engineering, Etermax
Pablo Iacopi, Technical Owner, Etermax

「グリフアトラスを実行時にビルドできる Unity の機能(動的フォント機能)は、中国語や日本語の文字セットで本当に便利です」。

Pablo Iacopi, Technical Owner, Etermax

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