グラフィックスに関わる新機能とアップデート
新機能
グラフィックスに関わるいくつかの重要なアップデートの概要を紹介します。完全な詳細については、リリースノートを確認してください。
見事なグラフィックスとフォトリアリズムを実現する HDRP が、検証済みとなりました。HDRP で何ができるのかを短編映像作品『The Heretic』でご覧ください。
2019.3 では、数多くの新機能が HDRP に追加されています。カスタムポストプロセッシングでは、プロジェクトに自動的に組み込まれる独自のポストプロセッシングエフェクトを記述できます。カスタムレンダーパスでは、レンダーループ内の特定の点にシェーダーと C# を挿入して、オブジェクトを描画し、フルスクリーンパスを実行し、深度、色、法線などのカメラバッファーを読み取ることができます。
Physically Based Sky は澄み切った空をシミュレートし、リアリスティックな結果が得られる物理的シミュレーションを実行します。このモデルはすべての高度で機能し、大気遠近法をサポートし、大気圏外のショットを作成でき、時刻をサポートするため、中間色の昼や暖かみのある夕日などをシミュレートできます。
Unity のレイトレーシングは、シーン内のライトの挙動と物理オブジェクトやマテリアルとの相互作用を、現実世界と同じようにリアルタイムでシミュレートします。これにより、フォトリアリスティックな見た目と様式化された見た目のどちらが必要な場合でも、真のグローバルイルミネーションとアンビエントオクルージョンやその他のエフェクトを実現できます。
HDRP にはレイトレーシングのサポートとハードウェアアクセラレーションが含まれているため、オブジェクトが画面外にある場合でもすべてのオブジェクトからの反射を考慮できます。含まれるレイトレーシング機能の一部として、レイトレーシングされた影や間接光などがあります。
HDRP のレイトレーシングは、エンジニアリング、建築設計、自動車業界のアプリケーションに最適です。リアルタイムレイトレーシングで何が達成できるのかを強調するために、Unity は NVIDIA および BMW グループと共同で、2019 年の BMW 8 シリーズクーペを紹介しました。
開始するには、GitHub からサンプルオフィスプロジェクトをダウンロードするか、下の「詳細を見る」をクリックして「レイトレーシングを始める」ドキュメントにアクセスしてください。
忠実度の高いビジュアルエフェクト用のカスタムの外観とレンダリング動作を作成するために、Visual Effect Graph にシェーダーグラフを追加できるようになりました。
個々のパーティクルを接続する三角形のストリップを生成してトレイル、線、リボンを作成するパーティクルストリップが追加されました。また、ポストプロセッシングのモーションブラーエフェクトを使用して速く動いているエフェクトにブラーを追加できる、モーションベクターも追加できます。
面白いエフェクトを作成するには、多くの場合、予測可能な方法でパーティクルのスポーンのタイミングを調整することが必要になります。新しいスポーンコンテキストのタイミングとループのコントロール(公開予定の内部シーケンシング機能の大規模なセットの一部)を使用すると、あらかじめ設定された間隔とスポーン継続時間に従い、設定された回数だけパーティクルをスポーンすることができます。
Visual Effect Graph による宇宙船のデモでは幅広いエフェクトが使用されており、学習リソースとして最適です。Visual Effect Graph のサンプルをダウンロードすることもできます。
シェーダーキーワードを追加して、グラフ内に静的ブランチを作成できるようになりました。これはたとえば、独自のシェーダー LOD システムを構築するときに使用します。
また、DOTS アニメーションでの頂点スキニングのサポートが追加され、より優れた水と草葉のオーサリングが可能になりました。
付箋を使用すると、プロジェクトに携わる誰にでもコメントや説明を残すことができ、ワークフローが改善されます。
新しいプロシージャルパターンのサブグラフのサンプルで、演算を使用してプロシージャルシェイプとパターンを作成する方法を学びましょう。
2019.3 では、シーンの加算的ロードでのライトプローブの機能にいくつかの面白い変更が加えられています。
加算的にロードされたシーン間でライトプローブをマージすることができます。これにより、加算的にロードされた小さいチャンクに分割することでメリットが得られる可能性がある大きなシーンのワークフローをストリーミングできます。API 呼び出しを使用して、現在ロードされているすべてのプローブを取得してマージできます。その後、これらが再び四面体化され、メッシュレンダラーがこのシームレスにマージされた結果をプローブでのレンダリングに使用します。
難しいライティング条件では、ライトプローブのライティング結果に一貫性がなくなったり、ノイズが多くなったりすることがあります。今回、ライトプローブで使用されるサンプル数の制限を解除できるようになりました。この機能により、ノイズが多くがちなライティング条件でライティングを使用するシーン(エミッシブマテリアルを使用するシーンや、複数回反射するライティングを使用するシーン)でのプローブの品質を改善できます。
シーンモードをライトマッププレビューにすると、新しい Lightmap Exposure スライダーがシーンビューの見本として表示されます。これを利用して、さまざまな HDR ライトマップをすばやく、より的確に評価できます。Lightmap Preview ウィンドウでも同じスライダーが表示されます。
Unity で提供されているデノイザーの範囲を補完するために、AMD Radeon Pro ライトマップデノイザーを含めることができるようになりました。AMD グラフィックスハードウェアの所有者は、これを使用して GPU でライトマッピング結果のノイズ除去をすばやく行えます。ノイズ除去により、ユーザーはより少ないサンプルと短い時間でより滑らかなライティング効果を得られるようになります。