品質が最優先。
無限の可能性。
Unity 2021 LTS ではプログラミングのワークフローが大幅に改善されているほか、アップグレードされたレンダリング機能と最適化機能、強化されたプラットフォームのサポートにより、クリエイティブな野心を実現するのを支援します。このリリースでは、デバイス、ジャンル、作風を問わず、品質、生産性、パフォーマンスを高めることを優先しています。

2021 のプログラマーに関連する主なアップデートの一部を紹介します。完全な詳細については、リリースノートを確認してください。

Mono のアップグレードと新しい .NET プロファイル
Unity の Mono のバージョンが更新されたことで、C# 8 構文のサポートが改善されました。これにより、さらに合理化された switch 式と null 許容参照型をプログラミングできるようになり、少ないコードで多くの機能を実現できます。また、並列デバッグにもアクセスできます。Unity の実装は .NET Standard 2.1 API に対するサポートを提供します。

ビルドを管理する
C# の汎用スクリプトのコンパイルの改善から、IL2CPP や UnityLinker の強化まで、ビルドの作成や再生モードに入るまでの時間が大幅に短縮されています。
インクリメンタルなプレイヤービルドのサポートが、Windows、macOS、Android、Linux、WebGL で利用できるようになりました。これは、プロジェクトの合計サイズではなく、変更の範囲に合わせてビルド時間がスケールすると、制作後半の重要な段階でゲームをテストする時間を節約できることを意味します。
IL2CPP プロセスのジェネリック用のコード生成でコード出力を減らし、ビルド時間を短縮するよう、ビルド設定をカスタマイズします。また、これにより、変更された「Build Settings」ウィンドウを使用して、テストビルドでのイテレーション速度を改善することもできます。

アセット作成ツールと Unity の間を迅速に行き来する
テクスチャとモデルのインポートの最適化と、テクスチャとメッシュを並行してインポートする新しいオプションにより、アセット作成とエディター間のイテレーションループが大幅に短縮されています。デモプロジェクト『Book of the Dead』を使用してこれらの改善点によるベンチマークを測定したところ、Unity 2020 LTS と比較して、2 倍から 3 倍のスピードアップを実現していることがわかりました。
Import Activity Window と呼ばれる新しいツールにより、アセットがインポートされた理由、その処理にかかった時間、依存関係が原因で再インポートとマークされているアセットに関する情報が提供されます。

IL2CPP ランタイムのパフォーマンスの改善
Unity の Intermediate Language to C++(IL2CPP)スクリプティングバックエンドは、幅広いターゲットプラットフォームで最高のランタイムパフォーマンスを実現するのに役立ちます。
Unity 2020 LTS 以降、処理にかかる時間をさらに短縮するために数多くの改善を加えてきています。デリゲートの呼び出しがかつてないほど高速になっており、汎用の仮想メソッドとインターフェースメソッドの呼び出しのパフォーマンスを倍にしました。また、Unity 2021 LTS では、この処理においてさらに高いパフォーマンスを発揮できるよう、いくつかのボクシングを削除することで、IL2CPP ランタイムを高速化しています。

URP と HDRP のパフォーマンスと品質の大幅な改善
スクリプタブルレンダーパイプライン(ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)と HD レンダーパイプライン(HDRP)を含む)が Unity コアの一部になりました。これによりワークフローがシンプルになり、検証済みの最新のグラフィックスコードを常に実行できるようになります。
Visual Effect Graph の実装の安定性を高め、Visual Effect Graph のシェーダーグラフの統合をさらに進化させたことで、グラフィックスコードがよりスムーズに実行され、URP での Lit パーティクルのレンダリングなど、より多くの機能を使用できるようになります。
HDRP の新しい動的解像度アップスケーラー(NVIDIA DLSS、AMD FSR、TAA Upscale)により、PC やコンソール上でのパフォーマンスとビジュアル品質を高めます。また、AMD FSR を URP でも利用できるようになりました。

モバイルの最適化とワークフローの改善
Play ストアにシームレスに公開できるように、Unity 内に Google Play へのアセット配信要件を満たすための直接サポートを追加しました。これにより、Play ストアで想定されるインストールサイズ制限内に収まるようにアセットのバンドルが処理され、「高速フォロー」でのアセット配信を簡単に利用できるようになります。
Unity と Samsung による継続的なパートナーシップの成果である Adaptive Performance 3.0 は、モバイルベースのプロジェクトのパフォーマンスを高めるツールを提供します。
Addressable Asset System パッケージのバージョン 1.17.4 により、既存の非同期プロセスだけでなく、同期ロードが可能になります。Addressables の新しい同期 API は、ダウンロード管理が非常に細かく制御されているプロジェクトに適しています。Unity のメインインストールの一部としてインストールされるようになった Device Simulator を活用して、制作したゲームがさまざまなモバイルデバイスでどのように表示されるかをご確認ください。

Unity プロファイラーと Code Coverage
Unity のプロファイリングツールを使用してプロジェクトを最大限に活用しましょう。Unity プロファイラーでは、パフォーマンスデータをチャートで確認し、シリアライズされた機能の詳細な分析によりコードのマルチスレッド化に適している可能性がある領域を特定して、Profiler API により実行時のパフォーマンスデータポイントを明らかにすることができるようになりました。
Unity プロファイラーを独自のパフォーマンス指標を使用して拡張することで、アプリケーションのパフォーマンスを測定し、パフォーマンスに関わる独自のストーリーをより深く理解できます。Unity 2021 LTS の新しいパフォーマンスカウンターにより、独自のパフォーマンス指標を Unity のアプリケーションやパッケージに手軽に追加できます。
現在のテストスイートで不足している領域を見つけるには、Code Coverage パッケージを使用します。

XRI ツールキット、OpenXR、改善されたパフォーマンス
XR Interaction ツールキットを使用して、AR 体験や VR 体験に双方向性を追加します。これには、主なバグ修正や改善、追加のインタラクション、インタラクションを示す新しいサンプルが含まれます。
Quest などの VR ハードウェアでのレンダリング遅延を軽減し、レイトラッチとモーションベクトルのサポートを追加しました。また、Unity の OpenXR のサポートを拡大することで、Windows Mixed Reality、HoloLens 2、SteamVR、Quest など、OpenXR 準拠のあらゆるデバイスをターゲットにできます。
Unity の新しい AR/VR テンプレートを使用して、XR プロジェクトの制作をすぐに開始しましょう。
リソース
アーティストやデザイナーのための Unity 2021 LTS
ゲーム制作体験の強化のために、イテレーションをスピードアップさせ、より高いレベルの柔軟性をもたらす、アーティスト向けの最新のワークフローやツールをご確認ください。
Unity 2022.1 TECH ストリーム
Unity の最新の TECH ストリームリリースで、Unity の開発中の機能を確認し、Unity の最先端のテクノロジーを学びましょう。
よくあるご質問
Unity LTS は、次のプロジェクトのために、最大の安定性とサポートを重視するクリエイター向けのリリースです。これは Unity のデフォルトのリリースであり、開発のプリプロダクションフェーズを経て、制作を特定のバージョンの Unity に固定しようとしているクリエイターに主に推奨されます。Unity 2021 LTS の詳細については、こちらの概要ページでご確認ください。
制作中または本番環境で稼働中をアップグレードすることを検討している方は、LTS リリースをお勧めします。Unity の最新の機能を使用したい方や、制作を始めたばかりの方には、TECH ストリームをお勧めします。各リリースの詳細については、こちらで確認してください。
TECH ストリームリリースは、次のプロジェクトに向けて最先端のテクノロジーを学ぶために、開発中の機能に挑戦することを重視するクリエイター向けのリリースです。このバージョンは主に、開発のプリプロダクションフェーズ、発見フェーズ、プロトタイピングフェーズでの使用が推奨されます。
Unity のプラットフォームのロードマップポータルにてロードマップの詳細を確認し、フィードバックを製品チームに直接お伝えください。
2021 LTS のリリースは 2023 年の半ばまで隔週で修正を行い、その後は 2024 年の半ばまで毎月更新を予定しております。
Unity 2021 LTS に対するアップデートには、多数の開発者がゲームやアプリのリリースを行えなくなる可能性があるクラッシュ、レグレッション、大きな問題に対する修正のみが含まれます。Unity のプロセスとしては、まず Unity の次のリリースでバグを修正し、その後その修正を最新の TECH ストリームおよび LTS ブランチにバックポートします。Unity には、Unity 2022.1 と 2022.2 から Unity 2021 LTS に修正をバックポートする専属のチームが存在します。
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