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URP と HDRP に関する Unity 最大の e ブックが Unity 2022 LTS 対応版にアップデート
EDUARDO ORIZ / UNITY TECHNOLOGIESSenior Content Marketing Manager
Apr 18, 2024|7 Min
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ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)と HD レンダーパイプライン(HDRP)の目的は、ビジュアルの品質とパフォーマンスを可能な限り高め、幅広いプラットフォームに向けてゲームを拡張し、提供できるよう支援することです。

当社は、より良いオンボーディング体験を Unity アーティスト、テクニカルアーティスト、開発者に提供し、URP と HDRP の幅広い機能を活用してもらうため、2 種類のテクニカル e ブックを作成しました。今回、この 2 つのガイドに、Unity 2022 LTS で提供されているすべての関連機能を含めるアップデートを行いました。

上級 Unity クリエイターのためのユニバーサルレンダーパイプライン(URP)HD レンダーパイプライン(HDRP)におけるライティングと環境は、Unity と外部のテクニカルエキスパートによって執筆されたものです。両ガイドとも、選択したパイプラインで高品質かつパフォーマンスの高いグラフィックスを作成するための、図解によるステップバイステップの手順とベストプラクティスを豊富に掲載しています。

HDRP ガイドは 186 ページ、URP ガイドは 166 ページあり、Unity 2022 LTS ベースのプロジェクトの計画および開発過程全体で参照できる包括的な 2 つのリソースとなっています。

各ガイドの内容を見ていきましょう。

上級 Unity クリエイターのためのユニバーサルレンダーパイプライン(2022 LTS 版)

URP は、スクリプタブルレンダーパイプライン(SRP)フレームワークを基盤として構築されたマルチプラットフォームレンダリングソリューションです。ビルトインレンダーパイプラインの後継であり、学習、カスタマイズ、Unity がサポートするすべてのプラットフォームへのスケールを効率的に行えるように設計されています。Unity 2022 LTS では、URP はビルトインレンダーパイプラインに備わる機能の大部分を提供し、一部の分野においてはより優れたものとなっています。私たちの最大の目標は、URP をモバイル、XR、スタンドアロン型ハードウェアで使われる主要なレンダラーにすることです。

URP の e ブックのアップデート内容
Unity Universal Render Pipeline_Full Screen Shader Graph effects_Unity 2022 LTS

URP の e ブックは、ビルトインパイプラインベースのプロジェクトを URP に移植したり、URP ベースの新規プロジェクトを開始する際に役立ちます。

数多くある URP 機能のセットアップや適用方法に関する新たな手順、新しいリンク、画像、コードスニペットなど、この最新版ガイドのほぼすべてのセクションがアップデートされています。そのため、ガイドの内容は、Unity 2022 LTS で URP を使用する際の体験に最大限一致するものとなっています。

デカールの適用、URP 品質設定とコンバーター、Forward+ を含むレンダリングパスの比較、カスタムポストプロセッシングを含むフルスクリーンシェーダーグラフ、LOD クロスフェード、SubmitRenderRequest API、その他多くの分野に新しく追加された機能や変更があります。

URP の e ブックが包括的なものであることを示すため、取り上げられているトピックとワークフローの一覧を以下に掲載します。

List of topics covered in URP ebook
URP 3D サンプルに関する新しいセクション
Unity URP 3D Sample_The oasis environment

URP の e ブックでは、Unity Hub で入手可能な URP 3D サンプルに含まれる 4 つの環境の紹介が最後に取り上げられています。各環境には、URP が複数のプラットフォーム向けに提供する様々なライティングとビジュアルエフェクト機能を示した独特なアートスタイルが使用されています。

この短いチュートリアル動画でも、URP 3D サンプルについて知ることができます。

HDRP のライティングと環境(2022 LTS 版)

HDRP は、最新の(コンピュートシェーダーと互換性のある)PC およびコンソールハードウェアをターゲットとして構築された、Unity の忠実度の高い SRP です。物理ベースのライティング技術、リニアライティング、HDR ライティング、そして設定可能なハイブリッドのタイル/クラスターデファード/フォワードライティングアーキテクチャを利用しています。

HDRP の e ブックのアップデート内容

HDRP の e ブックの 2022 LTS エディションには多くの新情報が追加され、前のエディションの 2 倍近いページ数になっています。URP ガイドと同様、多くのセクションに新しい画像、リンク、情報が追加されました。特に大きな追加項目は以下の通りです。

ウォーターシステム

Unity_High Definition Render Pipeline_water system_swimming pool

波、風エフェクト、うねり、水流、泡エフェクト、デカール、コースティクス、水中シーン、水のスクリプティングなど、30 ページ以上にわたって新しいウォーターシステムについて詳しく説明しています。

e ブックのアップデート内容に加え、この動画チュートリアルでも HDRP のウォーターシステムについて深く知ることができます。

Terrain(地形)

Unity_High Definition Render Pipeline_Terrain tools_Unity 2022 LTS

「きらめく水から美しい風景まで:全く新しい Terrain(地形)」と題したセクションでは、SpeedTree、Terrain(地形)ツールパッケージ、Terrain(地形)ペイント、Terrain(地形)レイトレーシング、HDRP Terrain(地形)デモを含む、テクスチャリングとディテール、樹木と植生について取り上げています。

シェーダーとマテリアル

Unity_High Definition Render Pipeline_Material Variants_Unity 2022 LTS

新版では、HDRP マテリアルについても詳しく紹介されており、マテリアルサンプル、バリアント、プロパティや、サブサーフェススキャタリング、透光性、デカール、HDRP マスタースタック、フルスクリーンシェーダーグラフ、ボリューメトリックシェーダーグラフのフォグについて説明するセクションが設けられています。

Unity_High Definition Render Pipeline_Clouds_Unity 2022 LTS

雲の作成に関するセクションが拡張され、大気および太陽ベースのライティングと 2 つの異なる雲システム間でのブレンド方法のステップが追加されました。

これ以外に、HDRP ガイドで取り上げられている主なトピックは以下の図に示した通りです。

HDRP topics

すべての Unity 上級者向け e ブックは、ベストプラクティスハブおよび Unity マニュアルのベストプラクティスページからアクセスできます。