Unity でより良い建築設計とコストカットを

Mortenson が建築設計に活用したインタラクティブ VR 体験の実例

Mortenson:AEC 向け Unity ケーススタディ

建設プロジェクトにおけるコストとリスクの高さをいかにして抑えるのか? Mortenson がその方法を見つけました。新しい建設設計をインタラクティブな 3D 空間でシミュレートし、他の技術をわかりやすく示すことによって、顧客は建設が始まる前に VR として視覚化されたプロジェクトをその目で確かめ、やり取りすることができます。これによってより良い設計、より迅速なイテレーション、品質の向上、コストの削減などが実現します。

  • プロジェクト

    インタラクティブ VR の利用でホテルや大学を始めとする建物の設計および建築の向上を

  • 目標

    設計プロジェクトでのリアルな体験、共同作業、イテレーションでお客様をサポート 

     

  • プラットフォーム

    VR:HTC Vive、Oculus Rift、Oculus Go、HoloLens

    360 度動画

  • チームメンバー

    4

  • 場所

    米国、シアトルおよびミネアポリス

顧客体験をよりよいものにするインタラクティブ VR と 360 度動画

Mortenson はアメリカに本社を置くトップ20 の建設業者のひとつであり、エネルギー・エンジニア部門のデベロッパーやサービスプロバイダーとしても活躍しています。株式は非公開ですが、全米各地に支社があります。同社の得意は、商業ビル、スポーツ施設、ヘルスケア、再生可能エネルギー、 バーチャルデザイン & コンストラクション(VDC)、安全管理など多岐にわたっています。

数年前、Mortenson は、それまで提供してきた設計/顧客体験に視覚化技術を統合することに価値を認め、バーチャルインサイトチームを立ちあげました。以来チームはエキスパートとして、建物の設計レビューやセールス・マーケティング戦略など、さまざまな顧客のニーズに合わせて、Unity を使ったインタラクティブなバーチャルリアリティ(VR)や 360 度動画などを提供してきました。

彼らの VR を利用した顧客には、Stonebridge Marriott ホテル、バックネル大学、ペンシルベニア州立大学、Kaiser Permanente、ワシントン大学メディカルセンターなど、大手ブランドや機関が含まれます。 

 

効果:

  • リアルタイムの 3D 設計レビューによって顧客と開発チームの共同作業をサポート
  • ネットワークで結ばれた大規模でインタラクティブな体験で設計のイテレーションを高速化 
  • 大規模プロジェクトにおいて、建設が始まる前に設計の欠陥を発見することによってコストを大幅に削減 
  • 出資者や将来の学生にビジョンを売り込み、資金調達を促進 
  • Mortenson は 25 を超えるデバイスやプラットフォームに VR や 360 度動画を容易に出力できます
Mortenson、3D と VR のイノベーションに可能性を見出す

Mortenson、3D と VR のイノベーションに可能性を見出す

Mortenson の新鋭テクノロジー開発者であり、シアトルを拠点に仕事をしている Will Adams と Marc Kinsman が、顧客のプロジェクトに対して VR と 360 度動画が有用であることに目を付けたのは数年前のことです。最初の Oculus ヘッドセットが世に出たばかりのころで、Adams は Unity がそのプラットフォームをサポートしていることを知り、当初からそれを積極的に活用することを考えました。

「大学院生のころ私は、デジタル環境をモニターで見るときと没入型デジタル環境に身を置くときとの空間認識の違いについて研究しました。それが Mortenson のプロジェクトチームのために VR で建物をシミュレートするアイデアの研究につながったのです。」と Adams は語ります。「当時はリアルタイムエンジンやプログラミングの経験はあまりなかったのですが、そのような技術を学ぶことの価値は充分に認識していました。」Adams の同僚、Marc Kinsman もともに開発に携わっていましたが、彼の場合その理由は、「Unity には大きなサポートコミュニティがあり、それはつまり Unity が学びやすいということを意味していたからです。」

プロジェクトソリューション・テクノロジストの Taylor Cupp は AEC 業界では VR 技術のリーダー的存在として知られる人物ですが、彼は Mortenson において VR が活用され始めた当初のことをよく覚えています。「 Will がミネソタ大学にいたころ、彼の研究を手伝っていました。」と Cupp は言います。「私は将来 Mortenson の顧客にリアルタイムなシミュレーションを提供することの重要性を理解していました。Will、Marc、そして Colin Sandeman(もうひとりの新鋭テクノロジー開発者)は、ビデオゲームの業界で開発された新技術を猛スピードで習得し、数年のうちにそれを私たちのビジネスに適応することに成功しました。」

バーチャルインサイトチームの Adams、Kinsman、Sandeman と彼らの同僚たちが Unity の利用に習熟し、最初に完成させた VR プロジェクトは、3D 空間の基本をカバーしただけのごくシンプルなものでした。「当初私たちはもっぱら顧客が歩き回ることができる程度のシンプルなバーチャルプロジェクトを作っていましたが、ここ数年で、ユーザーエンゲージメントのためにはそのような環境においてインタラクションを可能にすることがきわめて重要だと気づいたのです。」

Unity で基礎を築く

Mortenson のバーチャルインサイトチームでは、VR プロジェクトを開始する際、Rhino や 3ds Max などの各種設計ソフトウェアからモデルを取り込んでジオメトリやマッピングを修正したり、Grasshopper などのコンピューター設計ツールを活用したりしています。インタラクションコードの多くはチーム内で記述しますが、アセットストアにあるツール(Photon など)も多く使用しています。また、チーム内ではたくさんの共同作業が発生するので、全員を Unity でネットワーク接続しています。その結果、開発や問題解決が迅速化しただけでなく、米国全土や欧州にいる顧客も、それらのカスタム VR 空間でリアルタイムに共同作業できるようになっています。

顧客に提供する成果物は多岐にわたるため、チームでは Unity のさまざまな機能を活用しています。C# API もその 1 つです。「API を使えば、目的のほとんどは達成できます。顧客に対する提案も、自信を持って行うことができます。経験のないことを要望された場合でも、API を利用すれば実現できるという確信が持てたからです」(Adams 氏)。

プロジェクトが完成に近づくと、複数のプラットフォームにコンテンツを簡単に出力できることが、いかに便利かを実感すると Kinsman 氏は語っています。「Oculus Rift から Oculus Go へ、また HTC Vive から HoloLens へと切り替える必要がありますし、モバイルデバイス向けの作業も発生しましたが、Unity をベースにしたことで、プロジェクトにハードウェアを適合させる作業もスムーズに行えました。これは非常に大きなメリットだったと言えます。同じ開発プラットフォームから、プロジェクトに必要なあらゆるものを操作できますからね。新たな知識を学ぶ必要もなく、お客様のハードウェアやプラットフォームに関するさまざまな要件に対応することができます。」 

新しくプロジェクトを開始する際、このチームでは通常、Unity の最新バージョンを使用するようにしています。また、継続的な R&D の一環としても、定期的に最新バージョンへのアップグレードを行い、新機能を利用するようにしています(スクリプタブルレンダーパイプライン(SRP) など)。

VR と 360 度動画でクライアントをさらなる高みへ

VR と 360 度動画でお客様をさらなる高みへ

年間約 20 件もの Unity ベースプロジェクトをこなすことで、Mortenson のチームでは、数々の有名クライアントを相手に、VR や 360 度動画の経験を積むことができました。それらのクライアントには、大手不動産業者、ホテルチェーン、米国各地の大学なども含まれています。「基本的に、これらのお客様のために作るインタラクティブ 3D のユースケースは、2 つのタイプに分けられます。1 つは大規模な建築設計のレビュー、もう 1 つはセールス&マーケティング戦略です。どちらの場合も、その目的はデザインの改良、イテレーションの迅速化、品質の向上、そしてコストの削減です」(Adams 氏)。

たとえば、Mortenson がこの業種向けに手掛けたプロジェクトとしては、ダウンタウンの新しい Marriott ホテルや、AMLI(全米各地で高級マンションを開発しているデベロッパー)がシアトルに展開するマンションの最上階アメニティ施設と居室などがあります。これらのプロジェクトにおいて、没入型 VR シミュレーションや 360 度動画が利用されました。

これらのプロジェクトにおいて、バーチャルインサイトチームが Unity を活用して提供した最大のメリットは、本格的なインタラクティブ体験です。それによって関係者は、実際の建設が始まる前に、建物のデザインを共同で仕上げていくことができたのです。「お客様側の関係者は、実物大で再現された建物の空間やインテリアを自身の目で確かめ、その空間内に入ることができます。バーチャル環境の中で、見た目や雰囲気を確認できるのです。各チームがさまざまな設備を直感的に体験し、操作しながら、リアルタイムに共同作業が行えるのは、素晴らしい利点です」(Adams 氏)。下記のリンクから、このユースケースの動画をぜひご覧ください。

ダウンタウンにあるホテルの新しい廊下

高級マンションの最上階にあるアメニティ施設

顧客が大学の場合、要望として多いのは、VR を利用して新しい建物のデザインに関する意見を経営陣や教職員の間で共有したり、寄付集めや学生の募集を促進するためのデモンストレーションを行うといったものです。たとえば、ペンシルベニア州立大学のアスレチックセンターに設置されるクライミング用の壁を没入型の体験として再現したり、バックネル大学の新しい教育研究棟のメインロビーやエクステリアを再現した例があります。  

VR 空間で多くの顧客が話し合う主なポイントは、部屋の大きさや見た目の美しさ、機能性、そしてワークフローの効率性です。「Unity で作成した VR 体験を利用すれば、物理的なモックアップを作ったり資材を注文したりする前に、関係者全員がデザインについて議論を深め、何度でも変更を繰り返すことができます」(Adams 氏)。プロジェクトの規模が大きい場合は、関係者のさまざまな意見や懸念事項に対応するために、多数のバージョンを作ることになります。「関係者全員が同時に VR 体験をすることで、意思決定を迅速化するとともに、空間の見え方や雰囲気について曖昧さを解消することができます。」次のリンクから実例をご確認ください。

ペンシルベニア州立大学のロッククライミング用の壁屋内フィールド

バックネル大学の教育研究棟

バーチャルプロジェクトから得られる、数多くの具体的なメリット

バーチャルプロジェクトから得られる、数多くの具体的なメリット

建築設計のレビューに関して言うならば、Mortenson のバーチャルインサイトチームは膨大な価値を顧客に提供してきました。チームが作ったインタラクティブ VR のおかげで、顧客は油圧ショベルやクレーンが動き出す前に大きな欠陥や障害を回避することができ、多額のコストを節約できました。 

たとえばバックネル大学は、ある設計上の問題を見つけましたが、それを建設段階で修正するとなると大金を費やすことになったはずです。バーチャルな空間は仕様に忠実に作られますが、実際に VR の中に入ると、顧客は柱の位置がまずいせいで廊下が狭すぎることに気づいたのです。VR で問題を見つけたおかげで彼らは 50 万ドルも節約することができました。大学の施設およびサステナビリティ部門のアソシエイト VP、Ken Ogawa は、Mortenson の VR プロジェクトについて次のように言っています。「VR を使わずに問題点を発見あるいは回避しようとすれば、すでに少なくとも 10 倍のコストがかかっていたに違いありません。」

Design Force の首席インテリアデザイナーの Heather Mann は、Stonebridge Marriott のプロジェクトにおいてバーチャルインサイトチームと共同で作業をしました。「物理的モックアップにかかる費用を約 45000 ドル節約することができました。さらに VR の利用によって設計変更の際のイテレーション、設計上の欠陥の発見および対処が容易になり、さらには出資者に彼らの意思決定がプロジェクトにどのように影響を及ぼすのかを理解させることができました。」

最後にカンザス州立大学体育担当局長の Laird Veatch は、大学のスポーツ施設のロッカー新設時に、VR によるレビューの利用によって 37 万 5000 ドルを節約できたことを評価しています。「VR 体験によって空間の奥行きと感じ方をリアルに予測することができました。他の方法ではとうてい無理だったと思います… 完成した物の部分をすべて評価することができ、その結果、予算内で最高レベルのものを作ることができました。」

このような数々の実例を見れば、優れた柔軟性、サポート可能なプラットフォームの多様さ、サポートコミュニティやアセットストアなどからなる広範なエコシステムなど、Unity の利点を最大限に利用した Mortenson の頼もしいプラットフォームが大学やホテル、建設業者などの顧客にすばらしい利益をもたらし、設計の妥当性確認を保証してきたことは不思議でもなんでもありません。

Marc Kinsman, Emerging Technology Developer, Mortenson

「Stonebridge Marriott プロジェクトでは Unity で作った VR シミュレーションのおかげで顧客は物理的モックアップの費用だけでも 45000 ドルを節約しました。同時にプロジェクトの複数の変更に対するイテレーションの自由が大きなことで、設計上の問題をすばやく発見し、修正することができました。」

Marc Kinsman, Emerging Technology Developer, Mortenson
Will Adams, Emerging Technology Developer, Mortenson

「私たちは、Unity を使って、建築の仕様書通りにバックネル大学大学のプロジェクトを作成しました。けれども顧客は VR で作られた新しい空間を調べ、『歩き回る』うちに、廊下が狭すぎることに気づいたのです。レビューによって原因は中央の廊下の柱にあることがわかりました。バーチャルな空間ではこのような欠陥を簡単に見つけることができましたが、もしこれが建設途中に見つかったものなら、対処のためのコストは 50 万ドルを超えたことでしょう。Unity のすばらしいツールと高度な忠実性が窮地を救ったのです!」

Will Adams, Emerging Technology Developer, Mortenson

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