より優れた病院設計を、VR を使いコストを抑えて実現

Mortenson が Unity を採用してインタラクティブな VR と革新的な 360 度動画を活用した方法

Mortenson:AEC 向け Unity ケーススタディ

AEC 医療プロジェクトにおけるコストとリスクの高さをどのように抑えますか?Mortenson はその方法を見つけました。新しい病院と手術室をインタラクティブな 3D 空間で完璧にシミュレーションすることで、クライアントは重要な医療設備、作業エリア、テクノロジーを詳細に視覚化して操作し、最適なレイアウトと動線を確認できます。これは、合理化された患者ケア、スタッフの効率性向上、コスト削減といった重要なメリットを意味します。 

  • プロジェクト

    インタラクティブな VR で Kaiser Permanente などの病院設計を向上

  • 目標

    クライアントは、目で確認し、体験して、新設計プロジェクトを承認できる 

  • プラットフォーム

    VR:HTC Vive、Oculus Rift、Oculus Go、HoloLens、360 度動画

  • チームメンバー

    4

  • 場所

    米国、シアトルおよびミネアポリス

インタラクティブ VR と 360 度動画で病院設計をレベルアップ

ミネアポリスを本拠地とする Mortenson はアメリカに本社を置くトップ20 の建設業者のひとつであり、エネルギー・エンジニア部門のデベロッパーやサービスプロバイダーとしても活躍しています。5000 人の従業員を抱え、38 億ドルの収益を上げ、全米各地に複数の支社を持っています。同社は、商業ビル建設、地球にやさしく持続可能な建設、バーチャルデザイン & 建設(VDC)、建設現場の安全確保などを得意分野としています。

数年前、Mortenson 社は、それまで提供してきた設計/顧客体験に視覚化技術を統合することに価値を認め、バーチャルインサイトチームを立ちあげました。以来チームは、建物の設計レビューやセールス・マーケティング戦略など、さまざまな顧客のニーズに合わせて、Unity を使ったインタラクティブなバーチャルリアリティ(VR)や 360 度動画などを提供してきました。

病院の建設に際して彼らの VR を利用した顧客にはワシントン大学メディカルセンターや Kaiser Permanente などがあります。 

 

その成果は以下のとおりです。

  • リアルタイムの 3D 設計レビューによって顧客とデベロッパーのコラボレーションを促進する
  • 病院の関係者が事前に新しい職場を体験して設計を大規模に調整できる
  • Mortenson がさまざまなデバイスに VR や 360 度動画を出力できる
  • 顧客が大量の物理的モックアップ(大きなプロジェクトでは膨大な数が必要)を作る手間をなくす
  • 顧客がプロジェクトの人間工学的またはデザインの欠陥を早期に発見し、取り除くことができる

 

病院の設計に VR を活用する数多くのメリット

Mortenson、3D と VR のイノベーションに可能性を見出す

シアトル出身の Will Adams 氏と Marc Kinsman 氏(ともに Mortenson の新興テクノロジー開発者)は、数年前、クライアントのプロジェクトにおいて VR と 360 度動画が大いに役立つのではないかと考えました。初期の Oculus ヘッドセットが発売されて間もなかった当時、Adams 氏は VR にいち早く目をつけており、Unity がそのプラットフォームをサポートしていることも把握していました。 

「私は Minnesota Vikings のスタジアム設計プロジェクトに参加していました。私の専門分野は主に建築と設計(そしてある程度のレンダリング)ですが、3D レンダリングエンジンを使って建築前の空間をシミュレートするというアイデアを、プロジェクトチームにどうにか納得させることができたんです。当時、私はこの分野での経験がほとんどありませんでしたが、その Unity が有望で、VR への出力も難しくないことはわかっていました。」プロジェクトには、Adams 氏の同僚である Marc Kinsman 氏も参加していました。「Unity には大きなサポートコミュニティがあるので、スキルの習得もしやすいと思いました。」

Adams 氏、Kinsman 氏、そしてバーチャルインサイトチームの同僚たちが Unity の知識を高めていくなか、彼らの最初のバーチャルリアリティ(VR)プロジェクトは新しい 3D 空間の基本をカバーしたものとなりましたが、まだまだ改善の余地がありました。「当初私たちは、クライアントが空間内を歩き回れる、シンプルなバーチャルプロジェクトをメインに考えていました。しかしここ数年間で、これらの環境に操作性を加えることが、ユーザーエンゲージメントを高めるうえで非常に重要だと気づいたんです。」

Unity で基礎を築く

VR プロジェクトを開始する際、バーチャルインサイトチームではたくさんの建設アセットやその他のリソースを、必要に応じて アセットストアからダウンロードし、使用しています。また、3ds Max、SketchUp、Rhino など、その他のソフトウェアからもたくさんのモデルを取り込みます。また、チーム内ではたくさんの共同作業が発生するので、全員を Unity でネットワーク接続しています。その結果、開発や問題解決が迅速化しただけでなく、米国全土や欧州にいる顧客も、それらのカスタム VR 空間でリアルタイムに共同作業できるようになっています。 

クライアントに提供する成果物は多岐にわたるため、チームでは Unity のさまざまな機能を活用しています。C# API もその 1 つです。「API を使えば、目的のほとんどは達成できます。顧客に対する提案も、自信を持って行うことができます。経験のないことを要望された場合でも、API を利用すれば実現できるという確信が持てたからです」(Adams 氏)。 

プロジェクトが完成に近づくと、20 以上ものプラットフォームにコンテンツを簡単に出力できることが、いかに便利かを実感すると Kinsman 氏は語っています。「Oculus Rift から Oculus Go へ、また HTC Vive から HoloLens へと切り替える必要がありますし、モバイルデバイス向けの作業も発生しましたが、Unity をベースにしたことで、プロジェクトにハードウェアを適合させる作業もスムーズに行えました。これは非常に大きなメリットだったと言えます。同じ開発プラットフォームから、プロジェクトに必要なあらゆるものを操作できますからね。新たな知識を学ぶ必要もなく、クライアントのハードウェアやプラットフォームに関するさまざまな要件に対応することができます。」 

新しくプロジェクトを開始する際、このチームでは通常、Unity を新しいバージョンへとアップグレードします(現在の最新は Unity 2017.3)。また、継続的な R&D の一環としても、定期的に最新バージョンをインストールし、今後試したい新機能の知識を習得するようにしています(スクリプタブルレンダーパイプライン(SRP) など)。Unity 2018 への移行も、間もなく実施される予定です。

VR と 360 度動画をうまく操る医療系クライアント

年間約 20 件もの Unity ベースプロジェクトをこなすことで、このチームでは、数々の有名クライアントを相手に、VR や 360 度動画の経験を積むことができました。それらのクライアントには、米国 3 位の非営利医療団体である、Kaiser Permanente も含まれています。 

「多くの場合、医療分野のクライアントは、ある重要ななユースケースのサポートを当社に依頼してきます。それは、3D 空間内に共同作業可能なバーチャルモックアップを構築することです。病院のプロジェクトマネージャーが私たちによく訴えてくるのは、処置室の使い勝手を建築前に外科チームに確認してもらうのが、非常に難しいということです。プロジェクトマネージャーが外科チームをプロジェクトに参画させ、彼らを納得させることができなければ、それはチームにとって役に立たないということになるので、その病院は必然的に、モデルの変更を迫られることになります」(Adams 氏)。 

たとえば、Kaiser Permanente では、新しい画像下治療室を設計していた際、その設計が医療チームとって使いやすいものになっているかどうかを確認したいと考えていました。そこで Mortenson では、仕様に基づいて治療室全体をバーチャルに構築し、チームの全員が室内に入って設備を操作できるようにして、その後数年間にわたって使用することになる部屋の設計を仕上げていくことにしました。具体的には、指定された設備をすべて 3D で忠実に再現し、照明ブーム、テーブル、およびその他の一般的な設備を、外科チームが触って確認できるようにしました。この VR 空間の様子は、Kaiser の放射線室の動画でご確認いただけます。

他のプロジェクトでも、Mortenson の顧客が新しい処置センターや手術室を設計・建築する際、プロジェクトマネージャー、医師、看護師、技師などの関係者は通常、さまざまな要素を操作して、部屋の寸法、動線、美観、機能システム、およびワークフローの効率性を、プロジェクトの初期段階から決定したいと希望します。「VR によって、さまざまな問題を見つけ出し、話し合い、是正するための素晴らしい機会が得られます」(Kinsman 氏)。参考として、Mortenson がワシントン大学メディカルセンターの病院棟のために作成した共同作業環境をぜひご覧ください。

バーチャルプロジェクトから得られる、多くの健康上の利点

医療系クライアントの設計レビュープロジェクトの観点から、Mortenson のバーチャルインサイトチームは多くの価値を生み出しました。チームのインタラクティブ VR 作品のおかげで、クライアントは多額のコストを節約できました。また、コンクリートが流し込まれ、壁が建てられ、部品が発注される前に大きな欠陥や不満を避けることができ、そしてそのすべては、物理的なモックアップに時間とお金を費やすことなく実現しました。

たとえば、ワシントン大学メディカルセンター、首席プロジェクトマネージャーである Bob Dillon 氏はこう語ります。「常に手に届くため、いつでも立ち戻って、自分が下した決定がどのようなものであったかを確認したり、変更点がプロジェクトの残りの部分にどのように影響するかを確認したりできます」Kinsman も、「当社のクライアントは必ず、物理モックアップよりもバーチャルリアリティのモックアップを好みます。なぜなら費用対効果が非常に高く、得られる情報が多いからです」 

Mortenson もまた、Kaiser との間に成功を見出しています。「当社が Unity と共同で構築したインタラクティブで没入感のある VR 体験で、プロジェクトチームは設計の欠陥を特定し、最も生産的で効率的なワークフローを確保して、医療従事者から重要な事項に関して承認を得ることができました。そして重要な点は、このために、Kaiser は物理モックアップに関するコストとリードタイムを費やすことなく、予算とスケジュールを予定どおりに維持できたことです」と Adams は結論付けます。 

最後に、これがすぐに医療業界のクライアントに大きな価値と重要な設計検証プロセスをもたらす、Mortenson の主幹プラットフォームとなったことも、Unity の柔軟さ、幅広いプラットフォームのサポート、サポート力の高いコミュニティや Asset Store などの広範なエコシステムを考えれば当然です。 

Marc Kinsman, Emerging Technology Developer, Mortenson

「私たちは常に、新しい建物の設計を 2D または 3D で視覚化する手法を持っていました。しかし Unity がもたらしたものは、設計したものを大規模に構築するパワフルな方法でした。このなかでクライアントは、寸法、機能、窓、照明、色、感触など、新しい空間のあらゆる側面を体験できます。インタラクティブな VR により、クライアントからすぐにフィードバックを受け、重要な意思決定が可能になり、クライアントは時間とコストを節約できます」

Marc Kinsman, Emerging Technology Developer, Mortenson
Will Adams, Emerging Technology Developer, Mortenson

「Unity で構築したインタラクティブで没入感のある VR 体験で、プロジェクトチームは設計の欠陥を特定し、最も生産的で効率的なワークフローを確保して、医療従事者から重要な事項に関して承認を得ることができました。そして重要な点は、このために、Kaiser は物理モックアップに関するコストとリードタイムを費やすことなく、予算とスケジュールを予定どおり維持できたことです」

Will Adams, Emerging Technology Developer, Mortenson

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