マイアミ大学:Unity のケーススタディ
ある学校がどのようにして指導の効率を高めつつ、学生の能力やジョブスキルを伸ばしたか? マイアミ大学(UM)は、カリキュラム強化の一環として、学生がリアルタイム 3D(RT3D)や仮想現実、拡張現実、複合現実(AR/VR/MR または XR)コンテンツを制作する方法について学ぶ、XR Garage(XR ガレージ)プログラムを構築しました。
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課題
需要の高いジョブスキルを授けつつ、カリキュラムに革新をもたらし刷新すること
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使用されている Unity のソリューション
Unity Pro、AR Foundation、ArtEngine、Asset Store、Pixyz、Reflect、XR Interaction ツールキットを利用する XR Garage(XR ガレージ)
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プログラムの規模
15 人の学生、2 人のインストラクター
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所在地
マイアミ、米国
学生に需要の高い仕事に就くための準備を整えさせる
Burning Glass によると、それらのスキルに対する業界の需要は、市場全体と比較して 601% の速さで増加しています。学生のアプリとソリューションには、外科手術で使用される医療可視化、看護師や初期対応者向けの緊急対応トレーニングツールのほか、物理学のクラス用の資料や、建築物のウォークスルーなどが含まれます。


成果
- UM 全校で使用されている XR によって強化された学習教材で完成したプロジェクトが 20 を超えた
- 30 人の学生が Unity を使用するトレーニングを受け、そのうちの 2 人が Unity 開発者としてフルタイムの仕事に就いた
- 現在外科医によって使用されている AR を活用した医療可視化アプリケーションを制作した
- 新しい学生サービスセンターのスタッフにトレーニングを行う VR アプリを構築した

すべての条件を満たした明確な選択肢
UM は XR Garage(XR ガレージ)プログラムを実現するために Unity に目を向けました。IT 部門のイノベーション担当ディレクターである Max Cacchione 氏は、以前に自閉症の学生向けの AR ソリューションを開発するために Unity を使用していました。「私たちが使用するソリューションは、導入が簡単であること、容易にスケールできること、さまざまな学部や学術分野にわたって迅速に展開できることが必要です。」

UM が XR 開発者に対する需要に応える
職場に XR テクノロジーの波が急激に押し寄せてきている中、UM は XR 開発者に対する需要の急騰に対応するために、インタラクティブデザインと開発を担うプログラムを進歩させる必要がありました。 この目標を達成するために、Cacchione 氏が率いる UM の IT 部門のイノベーショングループは、2019 年 5 月に XR Garage(XR ガレージ)を立ち上げました。彼はこう言います。「学生とその学生を指導する学部の両方にとって簡単に導入できる XR 開発プラットフォームを必要としていました。」 この重要性は明白でした。優れたスキルを持つ Unity 開発者の需要が高まっているとはいえ、新しいテクノロジーを指導する能力がある指導者を見つけるのは大変でした。しかし、Unity の使いやすさのおかげで、学生はすぐに使用を開始して実験を始めることができます。また、UM は導入プロセスを活性化するために、Unity の大規模で活発なコミュニティと、豊富に取り揃えた Unity Learn の無料の学習コンテンツを活用しました。

ここが奇跡が起こる場所
XR Garage(XR ガレージ)では、1 チーム 15 人の学生と専門スタッフが協力して、ユーザー体験、インタラクションデザイン、ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)テクノロジー、機械学習のほか、主要プラットフォームとして Unity を指導する Creative Coding(クリエイティブコーディング)に関連するコースや研究に取り組みます。 通常、教授は学生のために、より熱意を持って取り組むことができる効果的な学習体験を構築するのを支援するという部分で、XR Garage(XR ガレージ)に関わります。1 つのプロジェクトは、膨大な量のブレインストーミングや学生とスタッフとの間のコラボレーションを行った後で、ようやく形になると Cacchione 氏は言います。「Unity の扱いを知っている学生とその分野について造詣が深い教授が一緒に取り組んでこそ、奇跡が起こるのです。」 その恩恵はかなりのものです。教授にとっては XR を指導する強力な教材が得られ、学生はより多くのことを学べ、XR Garage(XR ガレージ)の開発者はキャリアを築くうえで重要なスキルを携えて世に出ることができます。

外科医、介護士、教育者、成人学習者にとって非常に重要なツール
AR を使用して CT スキャン、MRI、超音波の医用画像を可視化する手法は、マイアミ大学医学部が推進している画期的な手法です。その指導の下、XR Garage(XR ガレージ)は DICOM Visualizer アプリケーションを構築しました。現在、複数の早期導入者によって使用されています。イノベーションチームのコアプログラマー Rachel DePaz 氏はこのように言います。「医者は、手術中に患者の背骨のホログラムなどの画像を、目の前に映し出して見ることができるようになりました。そのアプリは治療成績を実際に改善するポテンシャルを秘めています。」 パンデミックへの対応として、UM はリモート学習用の Unity ベースのアプリケーションを開発することができました。学生や教育者は 3D モデルや対話式の演習を自分の環境から共有できます。それらのアクティビティは、マイアミからヨーロッパ、南半球全土にわたって、教育者のコミュニティと学生をリアルタイムでつなぐことができます。
さまざまなアプリケーションに対応した Unity の豊富な機能
UM は、より効果的な学習コンテンツを作成するために、Unity 専用の数多くの機能を活用しました。たとえば、UM は同大学の建築学部のために、AR/VR ヘッドセットを使用して体験できる建物の 3D ウォークスルーを制作する目的で、Unity Reflect を導入しました。また、歴史的建造物の再建のためにさまざまな建築表面を試す目的で、Unity ArtEngine も使用しました。 各種ヘッドセット向けコンテンツの開発をスピードアップするために、XR Garage(XR ガレージ)は XR Interaction ツールキットと AR Foundation パッケージの両方を活用しました。XR Interaction ツールキットの使いやすい UI はコーディング経験のない学生にとって特に貴重で、AR Foundation は制作したコンテンツをクロスプラットフォーム対応とし、各種ヘッドマウントディスプレイやハンドコントローラーと互換性を持たせるのを支援します。
良好な実績
プログラムの発足以降、XR Garage(XR ガレージ)が UM で開発したプロジェクトは 20 を超え、4 つの助成金を獲得し、学生グラントライターを 2 人雇い、30 人の学生に Unity のトレーニングを受けさせ、ここを足がかりとして 2 人が Unity 開発者としてフルタイムの仕事に就きました。マイアミ大学は同大学の Interactive Media(インタラクティブメディア)プログラムを、完全に Unity ベースとするように再設計しています。DePaz 氏はこう言っています。「マイアミ大学にて Unity の扱いを学ぶことで、その業界にてさらにインターンシップの機会が得られるようになります。」
学校全体で使える高度なツール
UM は当初、RT3D の研究やソリューションの短期的なニーズを解決するのを支援する目的で Unity を導入しました。学生にとっては初めての方でも使いやすく、教育者にとっては強力な指導用ツールであり、オンボーディングも簡単であったため、XR Garage(XR ガレージ)は UM のすべての関係者に迅速にソリューションを届けることができます。また、今後成長が確実に見込まれる RT3D や XR アプリケーションに対する業界の需要を満たすために、UM の学生が必要としていたスキルを磨くのを支援します。 Cacchione 氏はこのように締めくくっています。「このコラボレーションは複数の機会を創出します。講師は、教室での指導の質を高めるために必要なサポートやトレーニングを受けることができます。学生は需要がある新しいスキルを身に付けることで、就職活動において大きなメリットが得られます。Unity とのコラボレーションによって、イマーシブなメディアおよび技術におけるリーダーになるという当校のビジョンが前進します。」
ケーススタディの全文を読む
Unity Academic Alliance が、マイアミ大学の学生や学部が革新的な XR ソリューションを作成し、キャンパス全体の学習を強化するのをどのように支援するか、その全貌をご覧ください。