Rodeo Stampede: Unity Analytics ケースストーリー
Unity LiveTune を使用して、市場にある数千ものさまざまなデバイスのパフォーマンスをリモートで最適化し、Yodo1 は数百時間もの開発時間を削減しました。この時間を、どのデバイスでも問題なく機能する、ローカライズされたコンテンツの開発に充てることができました。
Yodo1 では、海外のゲーム開発者と緊密に連携しながら、モバイルゲームの制作、ローカライズ、販売を行っています。しかし同社では、『Rodeo Stampede』のリリース後、細分化された Android モバイルゲーム市場に合わせてパフォーマンスを最適化するために、長い時間を費やしていました。この作業がなければ、Rodeo Stampede がすでに獲得している 1 億 5 千万人以上のプレイヤーのために、さらに優れたコンテンツを作成することもできたはずです。しかも、長時間を費やしているにもかかわらず、まだ基礎的な方法でしか最適化に対応できていませんでした。Unity LiveTune を導入した後は、効率性が大幅に改善し、細分化された方法でリモートに最適化を行えるようになったので、ユーザー体験も向上しています。
その成果は以下のとおりです。
- 開発時間を数百時間削減
- リテンションを 26% アップ。ロードにかかる時間を短縮(10~20 秒またはそれ以上)
- プレイヤー LTV の予測値が 17% 以上増加
開発にかかる時間を数百時間削減
これまで Yodo1 は、Android 市場のさまざまなデバイスに最適化するため、カスタムソリューションを使用していました。しかしこのタイプのコーディングでは、ゲームとサーバーの両方でシステム設定に多くの作業が必要でした。
Unity と緊密に連携することで、Yodo1 のグローバルパブリッシング VP である Vincent Diao 氏とそのチームは、ハイエンド、ミドル、ローエンドの各デバイスを使う人数をセグメント化し、何をトラッキングすべきかを特定し、各セグメントに何を最適化する必要があるかを判断することができました。
「LiveTune には本当に驚かされました。私たちのために作られたものではないかと思えるほどでした」と Diao 氏は語ります。「すべてを完全に統合してアップグレードするのに要した時間は 1 週間ほどでした。以前のソリューションを使っていたら、数百時間もの作業時間を要していました。そのうえ、LiveTune を使って達成したこれらの成果にはたどり着けていなかったでしょう」

ロード時間を 10~20 秒以上短縮
LiveTune は Yodo1 が以前使用していたソリューションよりも効率的であるばかりでなく、最適化の詳細をより詳細に制御することもできます。シャドウ、1 画面に表示される動物の数、パーティクルエフェクトといった、グラフィカルな品質設定を自動にリモートで制御できます。
Yodo1 のゲームの多くはシングルプレイヤーのカジュアルなゲームで、いったん公開してサーバーに接続すると、制御できることは限られていました。以前のソリューションは単に、すべてのユーザーのための一種のオン/オフスイッチとして機能していました。結果的に特定のデバイスに詳細な制御が必要な場合は複数のスイッチが必要となり、実際の問題を解決するには不自由な方法でした。
「問題に気付いても、私たちにできることは特定の要素をオンまたはオフにすることでした。以前のソリューションは一種のスイッチでした。セグメント化は不可能でした。たとえば、ユーザーが使うデバイスによって、詳細なシャドウを単純なものに変えるといったことはできませんでした」と、Diao 氏は語ります。
つまり、詳細なシャドウが、あるユーザーのエクスペリエンスを高める可能性があっても、他のユーザーのエクスペリエンスを損ねる可能性がありました。
「LiveTune の素晴らしい点は、リモートで使用して、すべての重要なディテールを制御できるということです。Rodeo Stampede ユーザーはそれぞれ、自分のデバイスに最適化されたものを表示できます」Diao 氏は続けます。
動物いっぱいの動物園を最適化する方法
50,000 種類を超えるデバイスでパフォーマンスの最適化を達成するのは容易なことではありませんが、Diao 氏はこれが成功へのカギであることを知っていました。彼らは fps を追跡し、重要な問題はロード時間のラグであることをすぐに突き止めました。
「ローンチ以来、多くのコンテンツを公開してきました」Diao 氏は語ります。「8 つのマップ、さまざまな表皮を持つ 100 種類を超える動物たち。そこで私たちは、大きな動物園にするというアイデアを思い付いたのです。このアイデアは素晴らしいものでしたが、同時にパフォーマンス上の大きな問題が出てきました」
バナーのサイズは大きくなり、とくにプレイヤーが動物の居場所を見ようと動物園をスクロールするときのロード時間が長くなりました。
「LiveTune を使うと、アセット、エフェクト、レンダリングの各カテゴリにわたり、設定を柔軟に調整できました。まず、属/生息地あたりの動物の頭数、質感、シャドウといったところから調整を始めました。最終的に、フェンスの画質がデバイスのパフォーマンスに最も大きく影響することを発見しました」と Diao 氏は語ります。
LiveTune を使用して、リモートでパフォーマンス設定をセグメント化し制御することで、多くのデバイスのロード時間を 10 秒以下に短縮できました。
Yodo1 - グラフィックと画質の設定
* AnimalCountInGenus## キーは、ゲーム内のさまざまな動物の頭数を指します。
生涯価値が 17.1% 増加
Yodo1 が当初直面したパフォーマンス最適化にともなう問題は、言うまでもなく深刻なもので、Day 1 リテンション率を大きく落としました。中国ではローエンドの Android ハンドセットが普及していたため、ある Android 配信プラットフォームでは約 29% にまでリテンション率が落ち込みました。
しかし 2016 年 6 月にLiveTune で修正を実施した後は、さまざまなデバイスで 40~45% にまでリテンションが上がりました。Day 1 リテンションは今も継続的な課題であると、Diao 氏は言います。
Yodo1 は単なるローカライズではなく、カルチャライズを実施
パフォーマンス問題を自然に修正するということが必要不可欠でしたが、実際 LiveTune を使って効率的に達成できました。なおかつ、新しいコンテンツの開発に目を向けることができたため、ユーザーエクスペリエンスを高め、最終的には LTV の増加につながりました。
Diao 氏は言います。「 LTV [ARPDAU * 平均継続期間] を計算すると、LiveTune 導入後の平均生涯価値は 17.1% 上昇したと推定できます」これは、Rodeo Stampede が 1 億 5 千人以上のプレイヤーにダウンロードされていることを考えると、とてつもない価値を作り出したことになります。
結局のところ、同社の強みの 1 つは、地元の市場が魅了されている魅力的なコンテンツを継続的に開発していることです。 Yodo1 は文化的な魅力を持つトピックコンテンツを作成しています。たとえば、干支の戌年に合わせて、ランタンとハスキー犬(中国で人気の犬種)の祝日環境を導入しました。
「私たちは言語のローカリゼーション以上のことをしています。私たちはこれを、カルチャリゼーションと呼んでいます。そして LiveTune で節約した時間を活用して、より興味深いコンテンツを、問題なく自信を持って開発できます。市場の勢いを阻害したり、ゲームを中断させる心配はありません」と、Diao 氏は語ります。