Concrete Software:Unity のケーススタディ
プレイヤー体験に重点を置きつつ、頻繁に行われるゲームとプロモーションの更新をスタジオで管理するにはどうすればよいでしょうか?ボウリングとゴルフのタイトルで有名な Concrete Software は、開発および自社のコンテンツ配信システム(CDN)への移行を試みていたときに、Unity の Cloud Content Delivery(CCD)ソリューションのことを知りました。
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課題
開発者をゲームプレイに注力させつつ、費用対効果に優れたコンテンツ配信を実現する
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プラットフォーム
Android、iOS
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プロジェクトのスタッフ
Unity のデザイナーおよびアーティスト 8 名
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所在地
米国ミネソタ州イーダイナ

CCD を無料でチェックする
Unity CCD は、コンテンツ配信のニーズに対応する完全にスケーラブルな、エンジンに依存しないゲーミング BaaS(サービスとしてのバックエンド)を提供しました。Concrete は無料の月 50GB のレベルでいくつかの作業を試し、それがすべて成功したので、現在では完全なデプロイに移行しています。

成果
- 開発と移行にかかる時間を何か月も短縮し、自社のサービスを維持するという継続的な要件に対応
- 開発者は、バックエンドの問題を気にせずゲーム開発に完全に注力できる
- 業界で最多の Point of Presence(PoP)を持つエンタープライズレベルの CDN プロバイダーによって、信頼性に優れた方法でコンテンツが保存および配信される
- 価格はスタジオのニーズに合わせて設定される

新鮮なコンテンツを優先する
Concrete Software は成長著しいスタジオであり、『PBA Bowling Challenge』と『PGA Tour® Golf Shootout』は App Store と Google Play におけるトップランクのゲームです。ダウンロード数は 2,300 万回を超えており、『Rapala® Fishing – Daily Catch』と『Arctic Cat Extreme Snowmobile Racing』のリリースに合わせてプレイ環境をコンソールに拡張することによって成功を収めています。
特に PBA/PGA ゲームでは、環境やキャラクターのプロ選手を頻繁に更新する必要があります(大会に合わせた開催地の改装、新しい選手のリーダーボードへの継続的な表示など)。Concrete のすべてのゲームでは、通常のプロモーションの更新や再設定と共にアプリ内課金も常に変化します。「このビジネスで成功を収めるために必要なのは、新しいコンテンツを常にテストおよび評価し、ユーザーの共感を最も呼ぶのは何かを把握することです」と Concrete のビジネスオペレーションマネージャーである Sarah Frost 氏は言います。
自社の CDN を利用しないことを決定する
ゲーム内の複数のプロモーションを毎週リリースするには、QA ステージング環境と制作パイプラインの間で厳しく管理されたフローが必要です。「コンテンツの各アイテムが最初にステージング環境でテストされていなければ、アイテムが不変であること、もし変更された場合は、その変更が製品版で提供されるアイテムに影響を及ぼさないことを確認しなければなりません」と Frost 氏は言います。
Concrete はまず自社のプロモーション管理システムをセットアップしました。このシステムでは、リモートコンテンツをデプロイし、オブジェクトのバージョン管理を維持して、開発、ステージング、運用に対応した複数のバケットを有効にします。設計とコーディングは開発者の担当でしたが、大規模なプロジェクトであったため、多数のスタジオリソース(とりわけ QA 担当者)が採用されました。
CTO である Mike Lehne 氏は次のように述べています。「プレイヤーが間違ったアセット、さらにひどい場合は壊れたアセットを取り込んでしまうと、それらに頭を悩まされることになります。私たちはゲーム内で制作したあらゆるコンテンツの不備を把握し、すぐに修正しなければなりません。」
エンジンに依存しないクラウドソリューション
「私たちのようなスタジオに最適な設計のエンタープライズレベルのコンテンツ配信ネットワークを Unity がリリースしようとしていると聞いたときはまさに感動の瞬間でした」と Lehne 氏は言います。Unity CCD システムは、コンテンツのリリースを保存、管理、デプロイするためのエンドツーエンドソリューションであり、あらゆる規模のチームに適した価格が用意されています。
「このシステムにはビルドに必要なすべてが揃っており、それらは Unity プラットフォームに統合されています。」また、CCD はエンジンに依存せず、それが Concrete には重要な機能でした。Unity CCD は最初に、Unity で制作された Concrete のボウリングゲームに採用されました。このソリューションの価値は明確で移行パスもスムーズであったため、別のゲームエンジンで制作されたゴルフゲームにも Unity CCD が採用されました。「このサービスは非常にシンプルで、2 つのゲーム環境への実装には 3 か月しかかかりませんでした」と Lehne 氏は言います。
組織の規模に応じた柔軟な価格設定
Concrete にとって Unity CCD は、ゲームとプロモーションのアセットのデプロイを大規模なプロジェクトというよりも付随的なタスクにするものでした。実際のストレージは業界をリードするエンタープライズ CDN によって処理され、Unity CCD では配信のボリュームに基づく標準料金を使用して価格が簡略化および設定されます。ストレージも付属しています。Frost 氏は次のように述べています。「私たちは当初、Unity Cloud Content Delivery を無料で利用しました。それ以降も、従量課金制ではありますが、かなりリーズナブルに利用できます。Unity では毎月最初の 50GB が無料だからです。自社システムを開発し、メンテナンスするよりもずっと低コストです。」
懸念事項はセキュリティとサポートでしたが、Concrete はその両方における Unity の経験に信頼を寄せています。「CCD には、分離された設定可能なパーミッションスキームが用意されており、24 時間 365 日のモニタリングが可能です。加えて、複雑な問題についてサポートが必要なときに、Unity はすぐに対応してくれます」と Lehne 氏は言います。

ゲームプレイに大きなメリットをもたらす
Concrete にとって、コンテンツ配信に BaaS を使用する際のコスト面のメリットは明確であり、Frost 氏と Lehne 氏はプレイヤーにとっても大きなメリットがあると考えています。Frost 氏は次のように述べています。「Unity CCD のおかげで開発時間が何か月も短縮されました。エンジニアはその時間をバックエンドではなくゲームプレイに充てることができたのです。」
その時間は結果としてプレイヤーがより優れたゲームを楽しむ時間へと変わり、頻度と透過性の高い更新も実現します。「コンテンツの提供はスムーズに行われなければなりません。ゲームプレイを妨げたくはありませんし、ゲームの遅延はあってはならないことです。」
プレイヤーと開発者の満足度を維持する
簡単に実装可能な Unity CCD は Concrete に大きなメリットをもたらしました。Concrete はゲームやワークフローを改善するその他の Unity の機能を絶えず見つけ出しています。重要な機能の 1 つとして、Unity ではさまざまなプラットフォームがサポートされます。現在 Concrete は、新しくリリースされる Intellivision Amico 向けのゲーム『Monster Spades』の開発に取り組んでいます。
Unity CCD の導入によって、Concrete では自社のコンテンツ配信システムの構築、テスト、メンテナンスに悩まされることがなくなりました。バックエンドの作業を Unity にオフロードすることで、ゲームデザイナー、開発者から経験豊富なプレイヤー、新規のプレイヤーまで、あらゆる人々にメリットがもたらされます。