
新しいテクノロジーで新しい体験を
バーチャルエージェンシー NTW は、クライアントが混合現実(MR)体験の世界を利用できるように、最先端のテクノロジーを導入しています。共同創設者の Antony Vitillo 氏は、エンタープライズ向けの革新的な没入型のゲームや XR ソリューションを開発し、ライブの VR コンサートやフェスティバルを開催してきたほか、没入型現実に関する 750 以上もの技術情報の記事を公開してきました。
アーティストと開発者にとっての共通基盤
同スタジオが Unity に信頼を置いている理由は、プロトタイプを迅速に作成できることと、リリースされた AR/VR デバイスとの幅広いクロスプラットフォームの互換性があるからです。「Unity を使い始めてからは、ずっと Unity を使い続けています」と Antony 氏は言っています。Unity なら、アーティストがモデル、画像、サウンドを実装し、開発者がプラットフォームのスクリプティングを使用してそれらに命を吹き込むなど、チームが協力して作業を進めることができます。


Antony 氏が制作した全身で体感するバーチャルリアリティソリューションである初の XR プロジェクト『ImmotionRoom』に続いて、チームは他にも次のような Unity プロジェクトに関わってきています。
- 2019 年に公開した混合現実フィットネスゲーム『HitMotion: Reloaded』 - Vive Focus Plus の 20 を超えるローンチタイトルの 1 つで、唯一混合現実を採用
- HitMotion の複合現実プラグイン、GitHub の上オープンソースコミュニティで利用可
- VRrOOm との提携による『Venice VR Expanded, Alone Together』や『Welcome to the Other Side』などの画期的な VR イベント
2020 年全体を通して、パンデミックは世界中の人々を引き離しました。そしてパリにおいても、2019 年に起こった火災によりひどく損傷したノートルダム大聖堂は閉鎖され、そこに住む人々にとっても訪問する人々にとっても、心の拠り所となる建造物がない状態で過ごしていました。そこで登場したのが『Welcome to the Other Side』で、歴史的な大聖堂を舞台としたバーチャル空間に人々を集め、フランスの有名な作曲家 Jean-Michel Jarre 氏の楽しい音楽を体感しながら新年を祝いました。
アーティスティックなビジョン、複雑なスクリプティング:洗練されたソリューション
VRChat 上に構築されたこのプロジェクトには、技術的に多岐にわたるソリューションが必要でした。チームは、アーティスティックなビジョンを実現するために必要に応じて複雑なスクリプティングを使用している Vitillo 氏と共に、コンサートのシーンを簡単に組み立てることができる必要がありました。Unity の使い方を学ぶのはチームの全員にとって簡単でした。たとえば、従来の形のコンサートの分野でシーンデザイナーとして働いていた人は、Unity で彼がもっていた専門知識を VR コンサートのワークフローに適応させる方法について、わずか数週間で学ぶことができました。


豊富なアセットとツール
また、チームは Unity Asset Store を頻繁に利用しました。共同制作者がプロトタイピングに 3D オブジェクトが必要であったり、ライトに特殊効果を追加する必要があったりするときはいつでも、Asset Store を参照して必要なものを探していました。「Unity の Asset Store は豊富なコンテンツが揃っており、価格も手頃であるため、開発者にとって非常に貴重なリソースです」と Antony 氏は言っています。
実現不可能なコンサートに完全に没入させる
『Welcome to the Other Side』はバーチャルリアリティにより、現実世界では再現できないやり方で、魔法のような不思議な感覚を与えました。まず第一に、実際のノートルダムでは電子音楽のコンサートは不可能であったでしょう。しかし、没入型のキャンバス上に 2D および 3D アニメーションの演出が描かれることで、Jarre 氏の調和したサウンドに命が吹き込まれました。「VR で実現することで、人々は実際にノートルダム大聖堂の中で音楽を聴いているように感じ、コンサートの 3D ビジュアルエフェクトに夢中になりました」と Antony 氏は言っています。


複数の専用ツール間のコラボーレション
Unity なら、各自の仕事に別々のツールを使用していても、チームで同じプロジェクトを協力して取り組むことができます。Antony 氏が使用している開発環境は Visual Studio で、同じチームのテクニカルアーティストはデジタルコンテンツ制作(DCC)に Cinema 4D をよく使用します。NTW でユーザー体験(UX)やゲームのデザインを担当する Massimiliano Ariani 氏は、インターフェースのデザインに Adobe XD で作業します。その後、それらの体験を 1 つにまとめるのに Unity を使用し、作業を同期させるリソースハブとして Git を活用します。
人々を 1 つにする
チームにとって重要なことは、できるだけ多くの人たちを集まってもらうことでした。VR ヘッドセットを持っていない人でも、YouTube、Facebook、Weibo などのプラットフォームでライブストリームを視聴したり、世界中のテレビで視聴したりできます。最終的には視聴者数は 7,500 万人に達し、私たちは喜びで胸がいっぱいでした。」
