3D コンピューターアニメーションとは、3D モデルと従来のフレーム単位のアニメーションを組み合わせたものです。昔ながらのストップモーションの手法と同様に、デジタルアニメーションでは 3D モデルを似たような新しい画像に継続的に置き換えることで動いているような錯覚を生み出しますが、新しい各画像のフレームレートは上がっています(キーフレーム)。この手法はアニメーション映像や、複雑な動きが要求される医療分野などのシミュレーションを作成するのに使用できます。
3D 画像はコンピューター上でモデル化され、リグはデジタルスケルトンを利用して作成されます。これにより 3D コンピューターアニメーターはキーフレームシステムを使用して瞬きなどの動作を始まりから終わりまで滑らかに遷移させることで、目や唇などの個別の要素を動かすことができます。コンピューターがキーフレーム間の外観の差異を自動的に計算し、すべてのキーフレームが完成すると、アニメーションをレンダリングできるようになります。
アニメーターはさらにモーションキャプチャ(MOCAP)デバイスを使用して、実際の俳優やオブジェクトの動きを追跡し、それを基にデジタルでアニメーションを制作することもできます。3D コンピューターアニメーションの多くは、キーフレームとモーションキャプチャの手法を組み合わせたものです。
コンピューターで生成されたアニメーションとは、素描や模型のパペットを使用する従来のストップモーションアニメーションの手法をデジタル化したものです。この種のアニメーションの歴史は、鏡を介してロウソクの光をガラスのスライドに通して、イラストを投影する 17 世紀の幻灯機にさかのぼります。複数のスライドをまとめて配置することで、動いている感覚を生み出すことができ、これが「活動写真」の原型となりました。
近代アニメーションの最も初期の例の 1 つが、1914 年に手描きのスケッチから制作された短編アニメーション作品である、Winsor McCay の『恐竜ガーティ』です。これは同時に、キーフレームとアニメーションループの最古の例でもあります。その後、1937 年になると最初の長編アニメーション映画が公開されました。Walt Disney Studio の『白雪姫』です。
それから約 50 年後に登場した最初のコンピューターアニメーションは、科学と研究を目的としたコンピューターグラフィックスの実験によって誕生しました。このアニメーションは、アルフレッド・ヒッチコック監督による 1958 年の映画『めまい』のオープニング映像で見ることができます。ここでは「M5 方位盤」と呼ばれる第二次世界大戦時の対空目的のコンピューターが使用され、さらにグラフィックセルや振り子を併用することで、この映画の名高い無限のスパイラルが生み出されました。
3D アニメーション手法は急速に進化し、1961 年には最初のリアルなコンピューターアニメーションが制作されました。スウェーデン王立工科大学が BESK コンピューターで制作した、高速道路を走る自動車の 30 秒間のベクトルアニメーションです。そのわずか 4 年後の 1965 年に発表された、人の姿を使用した最初のコンピューターアニメーションである『Computer Ballet』では、コンピューターで生成されたステレオグラフィック 3D が使用されました。
以下のウェビナーで、制作スタジオが Unity のリアルタイムテクノロジーとコンピューターで生成されたアニメーションを使用して映像プロジェクトを制作し、アニメーションパイプライン全体で連携する方法をご覧ください。
このシリーズの第 2 部では、Unity を使用してコンピューターで生成されたアニメーションを制作するプロセスを紹介しながら、リアルタイムアニメーションの各段階について解説します。
フレーム単位のアニメーション
最も古い種類のアニメーションであるフレーム単位のアニメーションとは、フリップブックのように 1 フレームずつ撮影されたあらゆる形態のアニメーションを指します。通常は手描きやストップモーションのアニメーションなど、デジタル以外のアニメーションで用いられます。
モーションキャプチャ(MOCAP)アニメーション
モーションキャプチャでは、テクノロジーと MOCAP センサーを組み合わせて実際の動きを追跡して記録し、3D アニメーションに変換します。MOCAP デバイスはセンサーとマーカーで構成され、オブジェクトまたは俳優に取り付けて、これを特殊なカメラリグで撮影します。
プロシージャルアニメーション
プロシージャルアニメーションでは、アニメーションがリアルタイムで自動生成されます。これは、アニメーションが事前定義された(つまり手作業または MOCAP デバイスで作成された)アセットであるモーションキャプチャやその他の 3D アニメーションとは異なります。プロシージャルアニメーションの手法では、物理的なシミュレーション(例えば流体力学を考慮した水のシミュレーションなど)に基づいてアニメーションを生成します。
動作アニメーション
プロシージャルアニメーションの一種である動作アニメーションでは、自律型のキャラクターがある程度独自の動きを決定できます。ここでは、オブジェクトがその環境にどのように反応するかが定義された特定のルールに基づいてアニメーションが生成されます。群衆や動物の群れをアニメーション化するのに使用でき、比較的シンプルなルールに基づく動きを、多数の動くオブジェクトに対して使用します。
キーフレーム
キーフレームはあらゆる種類の動きをアニメーション化するための基盤であり、フレーム間の滑らかな遷移を実現します。デジタルキーフレームアニメーションでは、各フレームのさまざまな要素を特定し、これらの要素を時間の経過とともに最も自然に見えるように動かす方法(フレームレート)を選択します。キーフレームは位置、スケール、回転、不透明度などのさまざまなパラメーターを使用して調整でき、アクションを実行する方法も調整できます。これはキーフレーム補間と呼ばれます。
物理ベース力学
コンピューターグラフィックスにおいて物理ベース力学とは、多くの場合複雑で物理的な説得力のある動作のシミュレーションに関係します。この種のアニメーションは、ビデオゲーム、映画、インタラクティブなシミュレーションでよく使用されます。これらのアニメーションは、物理的な動作を記述でき、液体や煙などの詳細な動きにも対応できる物理演算エンジンで作成されます。
モーフィング
モーフィングとは、1 つのオブジェクトが別のオブジェクトにシームレスに変化していくビジュアルエフェクト手法です。これは、アニメーション効果としてキーフレームの間に画像を挿入し、動いているような錯覚をもたらすトゥイーンとは異なります。
2D アニメーション
従来のアニメーション形態である 2D アニメーションでは、二次元の空間で動きを作り上げます。これは微妙に異なる描画を一定の時間にわたって連続して(通常は 1 秒あたり 24 フレーム)表示することで動いているような錯覚を与えますが、画像に奥行きはありません。これはカートゥーンで最も一般的に使用されます。
3D アニメーション
3D アニメーションはソフトウェアを使用して制作され、コンピューターで生成されたオブジェクトを用いて、デジタルの 3 次元空間の中で動いているような錯覚を生み出します。2D アニメーションとは異なり、フレームごとにアニメーション化する必要はありません。3D アニメーションは、モデリング、レイアウトとアニメーション、レンダリングという 3 つの部分で構成されます。
アニメーションの世界は常に進化しています。わずか 1 世代の間に、映画鑑賞やビデオゲームは 2D から 3D へ、そして VR や AR へと進化しました。コンピューターグラフィックス、ソフトウェア、ハードウェアの進歩により、一層リアルで没入感の高いアニメーションを実現できるようになり、その一因を担ったのは高品質なコンテンツに対する需要の高まりでした。
この需要に対応するため、アニメーターはアニメーションとコンピューターグラフィックスを組み合わせることができるゲームエンジンで作業する、プロシージャルワークフローへと移行しています。これにより細かな調整やリアルタイムでの作成とコラボレーションを実現できます。これらのワークフローは機械学習の進歩によってさらに強化され、従来の手作業の多くが自動化されます。
これは、アニメーターのサイロ化が起きなくなることも意味します。同じ手法、ワークフロー、ソフトウェアを、映画、ビデオゲーム、広告、VR、建築ビジュアライゼーションなどにわたって使用することができます。
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