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iOS、Androidでリリースされ、全世界で500万ダウンロードを数える水族館育成アプリ、『Tap Tap Fish - アビスリウム』。韓国で開発された本作は、韓日、日韓のローカライズ業務を行っているキョウウン氏によってサポートされています。
アビスリウムでは、どのようなローカライズを行ったのか。そして、日本向けにどのような施策を行っているのか。日本と韓国のゲームシーンの橋渡しを行うキョウウン氏にお話を伺いました。
Q. キョウウンさんの自己紹介をお願いします。
A. 主に日韓の個人開発カジュアルゲームを中心に、お互い国の市場にむけたローカライズ及び展開サポートをしています。一般的なパブリッシャーとの違いは、開発者の名前でアプリがリリース及びサービスされる点です。
日本産アプリで韓国へのサービス展開をサポートしたのは、「ハントクック」、「うまのプリンスさま」などがあります。韓国産アプリで日本に紹介したのは「タップクエスト」や今日お話しする「アビスリウム」などがあります。
Q. ゲーム本編の開発から公開まで、どれくらいの期間がかかりましたか?
A. 3人で7ヶ月です。
Q. 全世界累計500万ダウンロード(2016年09月時点)と、スマッシュヒットとなりましたが、その理由はどこにあると思いますか?
A. 海の生き物がそれぞれ動きながら調和する美しさにこだわりました。世界中の誰でも子供の頃一度は水族館などでぼんやりして魚群を望めた経験があると思いまして、それをアプリで再現することを目指しました。そのような部分がある程度はグローバルに通じたと思っています。
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Q. アビスリウムの日本向けローカライズ作業の範囲を教えてください。
A.基本的な翻訳は専門の翻訳者の協力も得ながら、自分が監修しています。そのなかでも、日本語版のタイトル名を決めるのは難しかったですね。最初は「深海箱庭」みたいなタイトル名も検討しましたが、日本の友人から「アビスリウム」そのままが良いのではないか、というアドバイスを頂いたので、それに決めました。
Q.日本に向けて、カルチャライズ(文化やトレンドの違いを踏まえたゲーム内容や仕組みの変更)を行った内容はありますか?
A. アップデートする際にツイッター投票を行い日本ユーザーが希望する魚を中心に追加しました。特にリュウグウノツカイの場合には、開発側としてはモーションの製作が難しくて最初は断られましたが日本のユーザーから要望が多かったので、少し口論もしながら実装しました(笑)
Q. 特に日本向けに大事にしていることは何ですか?
A.運営においてユーザーとコミュニケーションすることですね。公式ツイッターを通じてユーザーから頂く質問や要望にすばやく、正直に対応することを大事にしました。私はアビスリウムが日本で長く愛されるゲームになることを目標としていますので、たとえば、アビスリウムをお題にした俳句大会イベントなども開催したりしました。
【拡散及び応募希望】突然ですが、アビスリウム俳句大会を開催します!\(^o^)/
* #アビスリウム俳句 とタグつけてツィッターでアビスリウム関連面白い俳句を呟く
* 締切りは今日24時まで。
* 運営垢わがままで優秀作を1名さま選定してジェム1000個プレゼントします。
— アビスリウム (@abyssrium) 2016年8月28日
昨日開催されたアビスリウム俳句大会ヘ沢山の応募ありがとうございました!優勝作を発表します!
勤務明け
レア魚通知が
2時間前
勤務明けで泣きました(T_T)おめでとうございます!(^_^)これからも時々面白いイベント実施します!皆様、宜しくお願い致します!m(_ _)m
— アビスリウム (@abyssrium) 2016年8月29日
Q. アビスリウムでは、どのようなマネタイズを行っていますか?
A.課金アイテムをユーザーの上達に合わせたパッケージの形で実装しました。パッケージにはユニークな魚を入れて購入を誘導しました。動画広告はユーザーからの目線でゲームプレイの一部のように感じられることを目指しました。宝箱の演出などがそれですね。宝箱はアプリを起動する時に一定確率で出現します。その後プレイ中にはランダムに出現し、ユーザーが拒否感を感じることがないように注意しております。
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Q. 課金と広告の収益比率はどのくらいですか?
A. 私が日本展開をサポートした最初75日間のデータでは、課金が67%、動画広告が33%ですね。
Q. 広告に関しての収益構成はどうなっていますか?
A. 上記の同期間のデータですが、Unity Adsが 56%、 AppLovin 36%、 Tapjoy 8%ですね。アビスリウムはUnityで開発されたのでUnity Adsとの相性が良かったと思われます。安定的な収益に非常に役立ちました。ありがとうございます。
Q. 国別の売上比率を教えてください。
A. この件は開発社の要望でコメントが難しいですが、日本はランク3位以内に入る国です。皆様の応援に感謝しております。
Q. キョウウンさんは、韓国のアプリを日本に、日本のアプリを韓国に、という双方のケースを担当されています。その中で得られた知見として、『こういうアプリは韓国版もリリースした方がいいよ!』といったジャンルはあるものなのでしょうか?
A. 最近「ママにゲームを隠された2」が韓国で無料1位を記録しましたね。自分が担当した「ハントクック」や「うまのプリンスさま」もSNSでは大きな話題を集めました。それに比べて日本の大手パブリッシャーのタイトルは韓国地元のビッグタイトルや多数の中国系RPGの影響のせいか、それほど目立たないですね。むしろ、斬新なアイディアの日本の個人開発ゲームの方が韓国市場においてチャンスをつかみやすい傾向がある気がします。
Q. ローカライズやプロモーションを実施するにあたり、日本と韓国で気にするべきポイントはありますか?
A. 韓国では、ユーザーのコンテンツ消費速度が日本の倍以上ですね。韓国ユーザーは他人より速くクリアして自慢したい、という傾向があります。
また、広告の出稿単価が日本より低いので、収益を上げたい方は課金アイテムをしっかり入れた方が良いと思います。
Q. キョウウンさんにローカライズ、プロモーション支援依頼をしたい場合は、どういう契約方法がありますか?
A. ローカライズだけを行う場合と運営や口コミ宣伝も行い、60日間のレベニューをシェアする場合の二つのケースがあります。レベニューシェアの場合にはローカライズ費用の割引といったサービスを提供しています。
Q. 韓国、日本の架け橋として、今後どういうことをやっていきたいとお考えですか?
A. 文化というのは外部からの刺激によりもっと発展するものだと思います。ですから、知られざるそれぞれの国の良いアプリを個人開発者さんたちに優しい条件でそれぞれの国のユーザーさんにどんどん紹介していきたいです。
Q. 最後に、日本のデベロッパーに向けて、何かメッセージがあれば教えて下さい。
A. グローバル市場にはロマンがあります!また、日本のデベロッパーさんのアイディアは斬新ですので自信を持ってチャレンジしてください!
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キョウウン氏 ( Twitter: @KyunghunL )