Medal of Honor

『Above and Beyond』の臨場感あふれる体験は、Unity Multiplayer Services からのフルサポートによって実現しました。

Medal of Honor:Unity のケーススタディ

Titanfall 2』、『Apex Legends』、『Star Wars Jedi: Fallen Order』などのビッグタイトルにより、Respawn Entertainment は時代を代表する業界随一のスタジオへと成長を遂げました。同スタジオの最新タイトル『Medal of Honor: Above and Beyond』では、人気シリーズを Oculus VR プラットフォーム向けにリブートします。『Apex Legends』に Unity Hybrid Scaling(Multiplay)を採用して高い成功を収めた経験から、Respawn はネットワーク管理、マッチメイキング、音声チャット機能を提供するために、再度 Unity Multiplayer Services を使用することにしました。

  • 課題

    人気のマルチプレイヤーシリーズを Oculus VR プラットフォーム向けに制作すること

  • プラットフォーム

    Facebook の Oculus VR プラットフォーム

  • チームメンバー

    315 人以上

  • 所在地

    サンフェルナンドバレー、ロサンゼルス

『Medal of Honor』について

『Medal of Honor: Above and Beyond』(MOHAB)では、第二次世界大戦を舞台に、プレイヤーは戦争で荒廃したヨーロッパの Office of Strategic Services(OSS:戦略諜報局)の工作員として活動します。これはシリーズの原点回帰であり、退役軍人から実際に話を聞いて得られたインスピレーションに基づいて描写されています。プレイヤーは砂浜に上陸したり、B-17 から敵陣の背後にパラシュートで降下したりして、フランスのレジスタンスの英雄たちと協力してナチスに占領されたヨーロッパを解放します。Respawn は『Above and Beyond』にて、第二次世界大戦の外観だけでなく、その歴史を見事に再現し、没入感の高い VR 体験を生み出しました。

成果

  • Unity はネットワーキング、マッチメイキング、音声コミュニケーションをスタジオ内で処理するよりも迅速に処理してくれるため、スタジオはゲームプレイに注力できた
  • Respawn のチームにとって、Multiplay の機能や API はわかりやすかったため、開発時間を大幅に節約できた
  • Unity のマッチメイキングロジックはカスタマイズ性が高いため、チームはスキル、パーティ、サーバーリソースのバランスを簡単に調整できた
  • エンジンに依存しない、あらゆるプラットフォームでのクロスプレイをサポートする Vivox を迅速に実装できた

ゲームプレイに注力

Respawn は開発当初から、バックエンドやネットワーク関連のタスクについては、できるだけ既製のコンポーネントやサービスを取り入れる一方で、ゲームプレイに注力する計画を立てていました。『MOHAB』に大きな期待を寄せていた世界中の膨大な数のプレイヤーのため、チームには最高品質の体験を構築する責任がありました。Respawn のタイトルは、画期的な Oculus Quest デバイス向けの新しいレベルのマルチプレイヤー VR ゲームの代表作となることが期待されています。

大作をローンチするための高速スケーリング

Respawn は 2016 年に『Titanfall 2』にて、Multiplay の自動スケーリングに対応したハイブリッドクラウドテクノロジーを初めて採用しました。そのマルチプレイヤーのパフォーマンスは批評家から称賛され、Respawn は同シリーズの次回作『Apex Legends』でも Multiplay を使用することにしました。同タイトルは爆発的な成功を収め、Respawn の判断が正しかったことがすぐに証明されました。ローンチのピーク時には、54 か所にわたってクラウド内に配置された 6,500 台のバーチャルマシン(VM)により、オーケストレーションレイヤーが毎分 3,000 コアにまでスピンアップしていました。Multiplay によってスケーリングがシームレスに行われ、ベアメタルクラウドとパブリッククラウドのリソースをグローバルに活用して、24 日間で 5,000 万人ものプレイヤーに『Apex Legends』のサービスを提供し、200 万人を超える数の同時ユーザー(CCU)を処理しています。

試行錯誤を重ねた戦略

MOHAB』のネットワークインフラストラクチャを管理するうえで、Respawn は Multiplay のインストルメンテーション、それを展開する方法、どれほどのコストがかかるかを知っていました。その能力は十分にわかっており、Respawn のすべての要件を満たしていました。また、その内部の仕組みはわかりやすく、API も明確であったため、チームは開発にかかる時間を大幅に削減できました。 

Multiplay を選んだもう 1 つの重要な要素は、サポートチームに対する信頼でした。ローンチ後にリアルタイム運用を引き継ぐことを見込んでいた Respawn は、Multiplay なら Facebook/Oculus にとって信頼できるパートナーになることはわかっていました。

スマートでシンプルなマッチメイキング

Respawn がマッチメイキングを Unity に任せることにしたのは、Multiplay を選んだ理由と同じで、開発者にインフラストラクチャではなくゲームプレイに注力してもらうためでした。さらに、Multiplay と緊密に統合されているため、Unity Matchmaker(現在クローズドベータテスト中)は多様なサーバーリソースを活用して、世界中のプレイヤーの割り振りを一貫して最適に保つことができます。

Respawn は、Unity Matchmaker は 2 つの要素が傑出していると評価しています。マッチロジックはカスタマイズ性が高く、チームはすぐに使える機能に、ニーズに合わせて変更を加え、スキル、パーティ、サーバーリソースのバランスを簡単に調整できました。VR 体験、バックフィル、割り当て、割り当て解除を動的に最適化するために、Matchmaker がサーバーをどのように埋めるかを管理できました。外部のチームが微調整を加えるのを待つ必要がありませんでした。

Vivox:実戦で証明された通信機能

VR は自分の身体でコントロールし、音声が VR の没入感を倍増させます。音声チャットは実質すべてのマルチプレイヤーゲームの基本機能となっていますが、VR への実装に関してはまだ未熟な段階にあります。クライアント側で大量の処理が発生し、多くの VoIP(Voice over IP)サービスは、特にピアツーピアのアプローチを採用している場合は、少数のプレイヤーにしか対応できません。 

Respawn が『MOHAB』に採用した 3 つ目の Unity Multiplayer Service である、エンジンに依存しない Vivox は、その負荷に耐えることができました。Vivox は MAU 1 億 2,000 万人以上と 99.9% の稼働時間が大規模に実証済みであり、あらゆるプラットフォームでのクロスプレイをシームレスにサポートします。これは、Respawn がプラグアンドプレイに対応した既製のソリューションを採用し、チームが最も得意としているゲームプレイに注力できるようにした、もう 1 つの例です。

バックエンドが前線に影響を与える

「Gameplay first(ゲームプレイを第一に考える)」は Respawn の代名詞であり、同スタジオは「細部までくまなく目的をもって作り、すべての開発部門が、プレイヤーのために素晴らしいゲームプレイ体験を制作することに貢献する」という明確なミッションを掲げています。 

Respawn は初のタイトルから Unity と提携し、バックエンドのコンポーネントとサービスは Unity Multiplayer Services に任せ、同スタジオのスキルをストーリーやゲームに注力できるようにしています。このアプローチは、小規模なインディースタジオから Respawn のような業界随一のスタジオまで、あらゆるスタジオが創造性を発揮し、スタジオ間のハンディをなくすのに役立ちます。

Terrance Louden, Lead Software Engineer, Respawn Entertainment

インフラストラクチャに関わる作業、ネットワーキング、音声チャットをすべて自前で行うこともできましたが、なぜそうする必要があるのでしょう?私たちはゲームを作りたいのです。Unity はネットワーキング、マッチメイキング、音声コンポーネントに関わる作業を、私たちよりも上手にかつはるかに迅速にやってくれました。それが Unity の専門分野だからです。

Terrance Louden, Lead Software Engineer, Respawn Entertainment
Hougant Chen, Senior Software Engineer, Respawn Entertainment

Unity との連携は、一般的なアウトソーシングとは異なっていました。さまざまな業務をそれぞれ異なるグループが担当していましたが、ローンチを成功に導き、かつ時間通りにローンチするために、すべての手順で同じ方向を向いて進めていました。

Hougant Chen, Senior Software Engineer, Respawn Entertainment
Hougant Chen, Senior Software Engineer, Respawn Entertainment

ネットワークを管理するうえで考えることはたくさんあります。必要な専用サーバーの数は、スケールできるか、どれくらいの速さで展開できるか?スタジオにはそのようなスキルがあまりありませんでした。しかし、『Apex Legends』のチームが Unity Multiplay をどのように活用してきたかは見てきました。Unity なしでは成し遂げることができなかったであろうという CTO の言葉から、Unity の実証済みのサービスを採用すること以外に選択肢はありませんでした。

Hougant Chen, Senior Software Engineer, Respawn Entertainment
Terrance Louden, Lead Software Engineer, Respawn Entertainment

VR は今までにない没入感をもたらしますが、VR 体験がマルチプレイヤーのときは、一貫して短い待ち時間と高速な ping が必要です。このレベルのネットワーク管理には、希少かつ相当なレベルの専門知識が求められます。このような高度に専門的な作業の負荷を軽減することで、小規模な制作チームでもスリリングなストーリーの中に素晴らしいゲームプレイを構築できるようになります。

Terrance Louden, Lead Software Engineer, Respawn Entertainment

導入ガイド

Unity Multiplayer Services を使用してマルチプレイヤーゲームを運用すると、素晴らしいゲームを制作することにより多くの時間を充てることができます。

ぜひ詳細をご覧いただくか、お問い合わせください。

弊社のウェブサイトは最善のユーザー体験をお届けするためにクッキーを使用しています。詳細については、クッキーポリシーのページをご覧ください。

OK