入門ガイド:Unity の活用方法

Unity で製品を設計、エンジニアリング、製造、販売、提供する方法を強化しましょう。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などで、コンピューター支援設計(CAD)ファイルなどの 3D データを視覚化する新しい可能性を解き放ちます。

Volvo Cars と Unity

Volvo Cars では、自動車のライフサイクルのほぼすべての段階で Unity が使用されています。バーチャル体験および XR 調査リードである Timmy Ghiurau 氏と、Volvo の Human-Centric Lab の責任者である Anna Hellmark 氏が、Unity によって変わりつつある自動車業界の現状について語っています。

リアルタイム 3D のパワーをビジネスに活用しましょう

このページでは、下記の内容について紹介していきます。

  • 産業分野における Unity の主要ユーザー
  • CAD などの 3D データを Unity に取り込む方法
  • Unity で視覚化して作成できるコンテンツ
  • Unity で作成したコンテンツを共有する方法 

最初にリアルタイム 3D テクノロジーについて詳しく知りたい場合は、こちらのページをご覧ください。

Unity を使用できるユーザー

現在、産業部門におけるリアルタイム 3D コンテンツの主な作成者は、技術的な経験があるソフトウェアエンジニアや AR/VR 開発者などです。その理由は、この技術に基づいて構築されるエンタープライズアプリケーションの大半には、カスタム開発とプログラミング(Unity では C# を使用)の専門知識が必要だからです。

ただし、Unity やその他の企業はプログラマー以外でもリアルタイム 3D にアクセスできるようにしているため、ユーザーのプールは拡大しており、カスタム開発のスケーリングが簡単になります。 

プログラマー以外にとっての Unity の障壁を下げている方法の一部を示します。

  • ビジュアルスクリプティング:Bolt などのノードベースのビジュアルインターフェースにより、技術的な知識のないユーザーがコードを記述することなくアプリケーションのロジックを制作できます。
  • 製品イノベーション:Unity のエンドツーエンドソリューションにより、AEC プロフェッショナルやマーケティング担当者などのノンプログラマーでもリアルタイム 3D を利用できます。Unity Industry 内でアーティストにとって使いやすいツールの選択肢も拡大しているため、プログラミングの知識がなくてもアートの生産性と創造性を強化できます。  
  • すぐに使用できるソリューション:没入型のインタラクティブ体験に対する需要が増えたため、多くの独立系ソフトウェアベンダーは、この技術を活用して、コーディングとスクリプティングの必要性を排除する一方で特定のユースケース用のソリューションを構築します。Unity 公認ソリューションパートナーである WEAVR は、エンタープライズ規模の実体験型トレーニングプログラムを提供しています。また、Interact は、物理的にリアリスティックな VR 体験を簡単に制作することを可能にしています。
  • サービス配信:ホンダの自動車デザイナー向けに作成されたこのプロジェクトのように、プログラマー以外にも適応し、そのような人たちの作業方法に適合するカスタムソリューションを作成できます。たとえば、Unity のようなプラットフォームには拡張性があるため、企業は Unity のユーザーインターフェースを調整して、デザイナーやマーケターなどの技術的知識のないユーザーがリアルタイム 3D のパワーを活用できるようにすることができます。
Antoine Pasquali, Chief Technology Officer

「Unity と弊社の専門スキルを活用して解決できない課題は、今のところ見当たりません。」

Antoine Pasquali, Chief Technology Officer

Pixyz でリアルタイム開発に対応した 3D データを準備する

一般的なリアルタイム 3D インダストリアルワークフローは、既存のコンテンツを取り込むことから開始します。インポートされた 3D ジオメトリとメタデータは、次のような多くの形式をとることができますが、これらに限定されるものではありません:

  • Alias、CATIA、Creo、Inventor、NX などのアプリケーションからのコンピューター支援設計(CAD)アセンブリ
  • 3ds Max、Blender、Maya、VRED などの 3D モデリングおよびビジュアライゼーションアプリケーションからのメッシュ
  • 点群、フォトグラメトリ、LiDAR スキャンから製品や場所を実際にキャプチャしたデータ
  • Autodesk Revit や Navisworks などのプログラムからのビルディングインフォメーションモデリング(BIM)データ
  • AxF や xTex などの標準化形式からのマテリアル

さまざまなプラットフォームにデプロイする際に最高のパフォーマンスとビジュアルクオリティを実現するために、通常はリアルタイム 3D コンテンツを最適化する必要があります。最適化プロセスにより、複雑なモデルはリアルタイム開発と互換性のある軽量表現になり、スマートフォンや VR ヘッドセットのようなデバイス上でインタラクティビティを適切にサポートできます。 

Unity パートナーである Pixyz が提供する専用ツールを使用してモデルをインポートし、品質を維持したまま密度、複雑さ、ファイルサイズを削減できます。Pixyz Plugin は 40 近くの 3D ファイルフォーマットに対応し、Unity Industrial Collection に含まれています。

X.R., CGI Team Leader

「CAD データが進化を続ける中、航空機の内部デザインを 3D で可視化することは大きな課題となっています。Pixyz は、CGI やリアルタイムアプリケーション向けに最適化されたテッセレーションツールや最適化ツールを通じて、この課題への対応を支援してくれています。Pixyz のツールは、高速性、軽量性、効率性に優れていて、何よりも、弊社のプロセス用に柔軟にカスタマイズできます。また、弊社のニーズに応じた新機能の開発に Pixyz チームがすばやく対応してくれるという点も、非常にありがたいです。」

X.R., CGI Team Leader

Unity Pro でのインタラクティブ 3D コンテンツの作成

リアルタイム 3D のアセットを準備したら、Unity Pro で開発を開始できます。ユーザーは、Unity の Asset Store にある 3D モデル、オブジェクト、環境(バーチャルワールド)などを使用してシーンの制作を加速できます。 

Unity により、ユーザーはアニメーション、オーディオとビデオ、シネマティクス、環境、ライティング、ユーザーインターフェース、ビジュアルエフェクトなどのコンポーネントをすばやく反復し、調整できます。開発の任意の時点で、ユーザーは作業のリアルタイムプレビューを参照できます。ビジュアライゼーションは瞬時に可能なので、結果がレンダリングされるのを待つ必要はありません。

Unity の活用範囲は非常に多岐にわたります。BMW では、自動運転シナリオの可視化とシミュレートに Unity を使用していますし、Daimler では、自動車生産の改善やサービス技術者のトレーニングに混合現実(MR)体験を活用しています。また Autoliv では、世界各地の営業担当者が製品をより効果的に紹介できるよう、営業用のモバイルアプリを作成しています。他にも、さまざまな活用事例があります。 

複雑なエンタープライズアプリケーションの場合、Unity は以下を使用してもっと多くのことを行える柔軟性も提供します:

  • 人工知能(AI):Unity は、充実した機械学習(ML)ツールのセットと、複数の AI および ML フレームワークと統合する機能を提供します。これは特に、シミュレートされた環境を使用してインテリジェントシステムをトレーニングおよび検証する場合に役立ちます。ロボットアプリケーション用 AI ソリューションのトレーニング、テスト、デプロイに Unity を活用している、ある企業の事例をご覧ください。
  • システムエンジニアリング:別の Unity 公認ソリューションパートナーのアプリケーションである Prespective は、Unity をプログラマブルロジックコントローラーやコントロールシステムのソフトウェアエミュレーションなどの外部コントロールシステム、およびファンクショナルモックアップユニット(FMU)や MATLAB などの外部計算モデルに接続する強力なシステムエンジニアリングフレームワークを提供しています。
  • エンタープライズ統合:Unity の強力なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)、組み込みネットワーキング機能、およびサードパーティ製ネットワークスタックとの統合により、アプリケーションを拡張してリモートコラボレーション、モノのインターネット(IoT)システムとの統合、または想像できるほぼすべてのネットワーク化アプリケーションをサポートする堅牢で信頼性の高い方法が提供されます。
Sano Hideki, Automobile Design Division

「Unity は、将来的なニーズに応じて拡張し、適応していくことができる最善の可視化ツールであると私たちは考えています。」

Sano Hideki, Automobile Design Division

Unity で制作された体験の共有

開発が完了したら、必要なオーディエンスと Unity プロジェクトを共有することができます。リアルタイム 3D 技術のコンシューマーは、混合現実(MR)ヘッドセットからメンテナンスの指示を受ける現場作業者などの内部関係者や、ウェブサイトにアクセスしてリアルタイム 3D コンフィギュレーターを操作する数百万人のユーザーなどの外部オーディエンスです。

Unity の主なメリットの 1 つは、一度コンテンツをビルドすれば、サポートされている 20 以上のプラットフォームにそれらをデプロイできるという点です。これには、iOS、Android、Oculus、Magic Leap、Microsoft HoloLens、Windows が含まれます。 

Unity は、ユーザーがウェブブラウザー、AR、完全に没入できる VR 体験などを通じてリアルタイムでモバイルデバイス上の「ライブ」アプリケーション(ランタイムアプリケーションとも呼ばれる)とやり取りできるように充実したインタラクションモデルセットを提供します。Made with Unity の体験は、モバイルアプリや e コマースページなどの既存のプロパティに埋め込むこともできます。 

Unity を使用すれば、最新のプロトタイプをレビューするインダストリアルデザインチームのリーダーなどの個人の体験、または複数の参加者を 1 つのコラボレーションが容易な環境に集める VR でネットワーク化されたエンジニアリングレビューセッションなどの共有体験を強化することができます。

David Castaneda, Cofounder, Visionaries 777

「弊社がなぜ Unity を主要プラットフォームに選んだかと言うと、特定の部門用に開発したコンテンツを異なる種類のハードウェアにデプロイして、他の部門でも同時に再利用することができるからです。他のプラットフォームの場合、各デバイスやハードウェアプラットフォーム用にソリューションを再開発しなければなりません。Unity なら、20 以上のプラットフォームに対するシームレスなデプロイが可能です。これは弊社のお客様にとって大きなメリットとなります。」

David Castaneda, Cofounder, Visionaries 777

Unity Industry で未来を築く

予定どおりに結果が得られるように、エンタープライズレベルのサポートに裏打ちされたデスクトップ、ウェブ、モバイル、AR、VR 向けのプロフェッショナルなリアルタイム 3D 制作ツールを使用して、ビジネスを差別化する没入型の体験を構築しましょう。

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