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MOBA ブームを作り出す:Arena of Valor

Unity を使用してモバイルゲームの巨大なビジネスチャンスを掴む

Tencent Games:Unity 開発者のケーススタディ

ゲーミング業界の中でもトップクラスに多作なパブリッシャーである Tencent は、一体どのような方法で、人気ゲームをまったく異なる地域の別のプラットフォームに対応させ、その成功を維持しているのでしょうか。 Tencent Games は、ロサンゼルスの企業 Riot Games を買収し、世界中で最高レベルの人気を誇っていた Riot Games 開発の PC ゲーム『League of Legends』を獲得した後、新たなゲームと IP を携えて中国のモバイルマーケットに乗り込みました。そのタイトルが『Wangzhe Rongyao』です。 『Honor of Kings』という訳題が付いて間もなく、iOS と Android で最上位クラスのダウンロード数を誇るコンテンツとなり、デイリーユーザー数は 2 億超、収益は 2017 年だけで約 20 億ドルに達しました。

プロジェクト

きわめて人気の高い MOBA ジャンルの新たなゲームと IP をモバイルにも導入

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目標

競争力の高い MOBA で多くの一般プレイヤーと e スポーツのアリーナにリーチ

プラットフォーム
プロジェクトのスタッフ

150 人(開発と運営の人員の合計)

企業情報

従業員数約 45,000 人

本社:中国、深セン

中国市場を攻略した後、Tencent は『Wangzhe Rongyao』のキャラクターや設定を欧米市場向けに再構成し、2017 年末に『Arena of Valor』を世界に向けてローンチしました。その後、このタイトルは多数の音楽賞や、2018 年の Golden Joystick Awards の Best Competitive Game 賞を受賞しました。 1 千万人を超える 1 日あたりアクティブユーザー(DAU)が日々同時にプレイしている『Arena of Valor』の盛況ぶりを見れば、Tencent の連勝は明らかです。

Unity は世界中の Tencent スタジオで使用されており、Tencent の成功に長らく重要な役割を果たしてきました。 まず、『Arena of Valor』のようなマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームをローカライズし、さまざまなプラットフォームで公開できるように支援したことが挙げられるでしょう。 この巨大なタスクを達成するため、Tencent はいくつかの基本方針を守り続けています。具体的には、パフォーマンスを最優先に考えること、トライアングル/パーティクルの数や UI/LOD モデルからコードの変更に至るまで、すべてを測定すること、シーンオブジェクト、キャラクター、パーティクル、サウンドなど、すべてのコンポーネントをスケーラブルにすること、リリース前に必ずビルド全体を徹底的にテストすることの 4 点です。

その成果は以下のとおりです。

  • 3 つの開発チームと膨大な数のテストグループ全体にわたり、安定した信頼性の高いワークフローを実現
  • アセットストアのパッケージを使用することで、ゲームのリリースに必要なカスタムツールの使用量を削減
  • モバイルとコンソール向けの公開済みバージョン 9 種類を含む、ゲームのさまざまなバージョンを Unity で問題なく管理

幅広いデバイス/リージョンをサポート

Tencent のテクニカルディレクター、Mellow Yue 氏は、『Arena of Valor』では、さまざまな国の多岐にわたるハードウェア構成をサポートする必要がありますが、Unity を使えば非常に簡単に、思いどおりの一貫したパフォーマンスを実現できます」と言います。

たとえば、Tencent では、CPU/GPU 温度、クロック周波数、過去 5 秒間の平均フレームレート、カメラに映っているアクターの数などのパラメーターを考慮しながら、特定のハードウェア構成に基づいてグラフィックの細部を調整しています。 Mellow Yue 氏はこう語ります。「このような戦略は、複雑でややこしいものになる可能性があります。特に Android デバイスは種類が多いので混乱しがちです。 しかし、やるべきことはシンプルで、グラフィックとフレームレートのバランスを取るだけなのです」

また、Tencent は、デバイス API を提供している多くのメーカーとのコラボレーションも実施しています。 ハードウェアのステータスを照会し、ゲームプレイやハードウェアのリソース(たとえば、CPU/GPU、ネットワーク、IO、RAM)を調整できるようになるので、デバイスに関係なく最高の体験をプレイヤーに提供できます。

厳格なテストが不可欠

Mellow Yue 氏によると、特にこの規模のタイトルを開発する際には、開発サイクルを通じて最適なパフォーマンスを確保するために、以下のステップが重要になると言います。

  • ゲームアセットのインポート時にゲームの仕様(3D モデルの頂点の数やテクスチャーのサイズなど)に準拠できているかチェックするためのルーチン作業を自動化
  • ビルドマシンのリソース全体のチェックを毎日実施し、パーティクルエフェクトなどの動的な要素を検証
  • 5v5 で固定されたヒーロー/AI テストを毎日実施し、コードや UI の変更によって引き起こされたパフォーマンスの低下を検出
  • 新たなコンテンツ(ヒーロー、アバター、レベル)を使った 5v5 の自動対戦を数多く実施。デザイナーやアーティストからの変更があれば再テストを実行
  • プレリリースサーバーで 5 万~ 10 万人のプレイヤーがすべてをテスト

ローカライゼーションに関しては、Tencent は各言語のテキストマップを用意することで、さまざまな長さになる複数言語テキストに対応できるテキスト領域を実現しています。 オーディオの管理には Audiokinetic の Wwise プログラムを使っています。 ローカライズされた画像については、Tencent ではリソースを {LANGUAGE}/ プレフィックス付きのフォルダーに分けて保存しています。 Mellow Yue 氏はこのようにも言っています。「中国、韓国、欧米向けバージョンは同じソースコードアーキテクチャを共有している場合が多いのですが、ゲームデザインとアートは、東アジアと欧米のバージョンで大きく異なります」。

実際のテストプレイを含めたリリース前準備

Arena of Valor』の開発が最終 QA に近づくと、開発チームは数週間にわたってゲームで対戦し、ゲームプレイを微調整します。 その後、5 万人を超えるプレイヤーがいるプレリリースサーバーでテストを行い、キル/デス/アシスト(KDA)、与ダメージ/被ダメージ、回復した量/回復された量、勝率などの統計情報を収集します。 「パラメーターのほとんどがホットパッチ可能な作りになっているので、スキルのメカニズムなどを調整した後は、修正プログラムをすばやくリリースできます」と Mellow Yue 氏。 「ヒーローのデザインは繰り返し作り直されるので、完成までには 2 週間~ 6 か月かかります。今では 70 を超えるヒーローがいるので、以前よりもっと大変な作業になりました」

Mellow Yue 氏は、Unity が『Arena of Valor』の開発において非常に使いやすいリソースだったと述べています。 「当社のエキスパートは Unity の経験が豊富です。彼らのおかげで、安定性と信頼性の高いワークフローを維持できています。 また、Unity はとても使いやすいので、経験の少ない開発者でもすぐに追いつくことができます」

さらに、開発チームはアセットストアを利用して、「TextMesh Pro」(現在ではパッケージマネージャーによって Unity の一部となっています)のほか、「A* Pathfinding Project Pro」や「Easy Movie Texture」といったサードパーティ製ツールなどの重要な Unity アドオンを入手しています。 これには「Behaviac」(ビヘイビアツリーのアセット)など、いくつかの Tencent のカスタムツールも含まれます。 「『Behaviac』が 4 つ星のレビューを獲得していて嬉しいです」と Mellow Yue 氏は感激した様子です。

エンタープライズサポートで Unity の最新バージョンにアップグレード

Tencent Games ほどの規模の企業では、大きなプロジェクトやチームをコーディネートする共通プラットフォームの整備が非常に重要です。ローカライズされたバージョンやパブリッシャーが多数存在する複雑な場合、さらのその重要性は増します。 Tencent の成都チームでは、深センチームが中国以外の市場に注力している間、ゲームの中国バージョンをメンテナンスしています。

深センチームが開発当初使っていたのは Unity 5 だったので、Mellow Yue 氏はこのチームの Unity をさらに新しいバージョン、具体的には、Tencent の上海チームが Switch でのリリース(下記参照)とメンテナンスに使用したのと同じバージョンにアップグレードしようとしています。「リリースから 2 年以上かかりました。Unity のバージョンをアップグレードすれば、ゲームのビジュアルは大幅に進化するはずです」

Unity のエンタープライズサポートは、このプロセスをスムーズに進めるために必要不可欠です。 Mellow Yue 氏は、開発中はエンタープライズサポートに非常に助けられたと述べています。「開発用にロックされたバージョンで必要なマルチスレッディングパッチをバックポートする際に役立ちました」

大きな転換

ポータブル機としてもコンソール機としても使用可能な Nintendo Switch は、世界中で記録的な販売台数を達成しました。 これを受けて、Tencent は早期にこのプラットフォームでのローンチを決定し、2018 年の秋に『Arena of Valor』の Switch バージョンをリリースしました。このバージョンは現在、100 万件を超えるインストール数を記録しています。 ゲームの移行作業には、30 人近くのプログラマー、アーティスト、デザイナー、そして Unity が必要でした。

開発チームは、既存の要素と Switch 用の新規要素を併用しながら、ローカライゼーションのためのリソースや多くのアセットをモバイルプラットフォームから移行しました。 また、ファイルシステム、メモリマネージャー、ユーザーマネージャー用の新しいコンポーネントを開発し、バトルシーンとキャラクターアートを洗練させ、シェーダーの一部を書き直しました。 Switch バージョンのテクニカルディレクター、Alex Jin 氏はこう述べます。「Switch というプラットフォームでは、素晴らしいことをいくつも実現できます。グラフィック関連の機能は特筆すべきもので、Unity はその作業に非常に役立ちました。 私たちの担当分野は他のモバイルバージョンとのクロスプレイです。コンソールゲーム向けのコンテンツはさまざまな面でユニークな特徴を持つということに注意して作業していました。 たとえば、ヒーローのステータスが違っていたりするのです」

Tencent では、ゲーム開発のどの段階でも品質と信頼性を確保できるように、厳格なアプローチを採用しています。 アセットはインポートする前にダブルチェックし、変更はすべて逐一レビューします。開発者は QA の一環として競い合い、ゲームプレイは 5 万人を超えるプレイヤーの協力によってリリース前に最適化されます。 この原則を守りながら、Tencent のアーティストとゲームデザイナーがクリエイティビティを発揮し、さらに Unity の機能、エンタープライズサポート、アセットストアが制作作業を支えることで、この世界の超大ヒット MOBA ゲームは何年も継続して複数プラットフォームで提供されているのです。

Arena of Valor』は、さまざまな国の多岐にわたるハードウェア構成をサポートしており、Unity を使えばそのすべての国にわたって、非常に簡単に、思いどおりの一貫したパフォーマンスを実現できます。

Mellow Yue, Technical Director, Tencent Games

Switch というプラットフォームでは、素晴らしいことをいくつも実現できます。グラフィック関連の機能は特筆すべきもので、Unity はその作業に非常に役立ちました。

Alex Jin, Technical Director, Tencent Games

「当社のエキスパートは Unity の経験が豊富です。彼らのおかげで、安定性と信頼性の高いワークフローを維持できています。 また、Unity はとても使いやすいので、経験の少ない開発者でもすぐに追いつくことができます」

Mellow Yue, Technical Director, Tencent Games

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