『Antigraviator』の前進を阻むものを解消

Cybernetic Walrus が Unity Collaborate で溝を取り除いた手法

『Antigraviator』:Unity Teams のケーススタディ

ベルギーのゲーム専門学校「Digital Arts and Entertainment」の学生 4 人が協力して Unity でレースゲームを制作することになったとき、ここまで早くものごとが進むなんて想像もつきませんでした。1 年もすると、4 人は学生プロジェクトの小さなチームから、パブリッシャー契約で資金を調達したインディースタジオに変貌していました。その一方で、彼らはそうした急展開に対応できるソース管理ツールを必要としていました。

  • ゲーム

    Antigraviator(美しい3Dグラフィックス、ブービートラップ、速度制限なしなど、さまざまな要素で未来型レーシングゲームのジャンルに新たな楽しさをもたらすゲームです)

  • 目標

    レースゲーム市場の隙間を狙う新鮮なコンテンツとアイデア

  • プラットフォーム

    2018 年中盤に Xbox One、PlayStation 4、Steam でリリース

  • チームメンバー

    6 人:プログラマー 2 人、アーティスト 2 人、フリーランサーとコンセプトアーティストのインターン各 1 人

  • 所在地

    ベルギー、アントワープ、

    KBC Tower 15 階

コラボレーションツールで高速走行

Cybernetic Walrus は、十分な容量があり、アーティストが Unity でもっと自信を持って効率よく作業できるようになり、時間と場所を選ばずに使用できるソース管理ソリューションを必要としていました。2017 年 3 月に Unity Teams の Collaborate を採用し、それ以来、一貫して使い続けています。

その成果は以下のとおりです。

  • 総トレーニング時間は 1 時間未満
  • メディアを駆使した大規模なプロジェクトを保護できるクラウドストレージ
  • 安全なパブリッシャーの Iceberg Interactive

プログラマーおよびアーティストのチームのためのエンジン

Cybernetic Walrus の Antigraviator チームは当初、アーティスト 2 名と開発者 2 名、計 4 名の共同創業者で構成されていました。彼らは最終学年のとき、『Wipeout』や『F-Zero』など、スタイリッシュなクラシックレーシングゲームの市場に開拓の余地があると考えました。ただし、そのためには新鮮なコンテンツとアイデアが必要でした。

プロジェクトを開発するためのゲームエンジンを選ぶ段階になったとき、プログラマーの 2 人は Unity の使用を希望したのですが、2 人のアーティストメンバーは当初、Unity で自分たちのニーズを満たせるかどうか確信がありませんでした。しかし、Cybernetic Walrus の共同創業者兼マネージングディレクターである Mike Coeck 氏は、 Unity の『Adam』デモを見たことが、Unity に決めるターニングポイントになったと述べています。

「『Adam』のデモを見て、私たちは「これならできる」と確信しました。アーティストがデモをダウンロードし、動作を確認して、その作り方を理解することができたんです。また、Unity の最新バージョンの進化を見て、アーティストツールについての疑問や不安も解消されました。」Coeck 氏はこのように述べたうえで、新機能の 1 つとしてポストプロセッシングスタックを例に挙げ、同機能がゲームの外観を改善するうえで直ちに効果を発揮したことを証言しました。

Unity の採用が正しい決断であったことは、アーティストが制作したコンテンツによって証明されました。それらのアートアセットは、Unity トレーニングセッションで実際に使用されています。同社はパブリッシャー (Iceberg Interactive) を確保し、完成したゲームはインディーイベントでプレイヤーと批評家の両方に感銘を与えました。作り込まれたゲームプレイや、カスタマイズ可能な乗り物、そして驚くほどリアルな 3D グラフィックが高く評価されたのです。

アーティストがアートに集中できるツール

Unity Teams の Collaborate のおかげで誰でも変更を簡単にクラウドにプッシュできるようになり、『Antigraviator』チームのプログラマーとアーティストは連携が容易になりました。全員が最新バージョンで作業を開始できるので安心です。

当初は従来型のソース管理でプロジェクトに着手したのですが、アーティストはプロジェクトの前のバージョンにさかのぼって変更箇所を追跡するのが難しいと感じていました。たとえば、プログラマーがカスタマイズしたツールでは更新がうまくいかなかったりしていて、アーティストにとっては特に不満の種になっていました。

「Dovydas(Budrys 氏)は 3D アーティストで Szabi(Szabolcs Csizmadia 氏)はどちらかというと環境アーティストとしてもっぱらシェーダーを作成しています。この 2 人はテクニカルアーティストに近く、エンジンを多用します。ところが以前使っていたソリューションでは、問題が発生しているかどうかを把握するのが困難でした。2 人はどのファイルが何に属しているのかを知る必要があり、それにけっこう苦労していました」と Coeck 氏は言います。

アーティストにとってはストレスがたまる状況ですが、プログラマーにとっては競合を解決しなければならず、そのために時間が奪われるという側面もありました。

Collaborate に乗り換えてからは、チームの全員にとって見晴らしがはるかに良くなりました。簡潔な管理と合理化された更新/復元プロセスにより、正しいバージョンのプロジェクトを非常に簡単に取得できるようになったのです。

合理化と高いコスト効率の実現

Unity Teams の Collaborate では、チームの誰もが Unity エディター内で必要なものを選択するだけでチーム全体にプッシュできます。別の誰かが作業を再開したときに、外部プログラムを使用しなくても、お互いの変更をダウンロードできます。Collaborate は Unity エディターに組み込まれているので別のプログラムを起動する必要はなく、時間の節約になるだけでなく、チームの集中力も維持できます。

「何が素晴らしいかというと、別のツールのことで頭を悩ましたり、ツール間を行き来したりしなくて済むことです。本当に楽になりました。とても直感的で使いやすいツールです。必要なときに以前のバージョンを復元するのも簡単です。後で、古くなったプロジェクトを捨てる必要もありません。ボタンをクリックするだけでアーカイブ化されるからです」と Coeck 氏は語ります。

統合型の使いやすいインターフェースのおかげで、『Antigraviator』チームは誰もが自信を持って直接プロジェクトに貢献できるようになりました。さらに、Coeck 氏はコスト効率の高さも感じています。

「以前検討していた別のソリューションを使用していたら、数千ユーロのコストがかかっていたかもしれません。しかし、コストをぎりぎり最小限に抑えることが重要な小規模スタートアップチームの私たちから見ても、Collaborate は大きな出費ではありません。4 人のチームにとっては夢のような話です。Collaborate を使い始めてから別のソリューションのことは考えたこともありません」と Coeck 氏は述べています。

いつでも、どこでも、どんな役割でも

Unity Teams の Collaborate のもう 1 つのメリットが、どこからでも簡単にアクセスできることです。Coeck 氏は、4 人の共同創業者にとってクラウドベースのソリューションは必須だったとも言います。

「チームの誰にとっても、これは普通の仕事ではありません。全員がこのプロジェクトに情熱を注いでいます。帰宅後も、できればゲームの作業をしたいのです」と Coeck 氏は語ります。

クラウドベースのアクセスは、PlayStation 4 への移植を担当するフリーランサーを雇ったときや、最近ではアート担当のインターン生を受け入れたときにも役に立ちました。チームの拠点はアントワープでしたが、フリーランサーはブルージュからリモートで作業できました。

 

アーティストチームの新メンバーをすぐに戦力化

スタジオを一緒に立ち上げたアーティストとは違い、インターン生はゲームエンジンを使って作業をした経験がほとんどない、純粋なコンセプトアーティストです。

彼のツールはペンと紙と Photoshop ですが、Coeck 氏は、たとえばゲームアイコンの作成や実装といった、Unity での作業もある程度こなせるように養成したいと言います。VFX 寄りのバックグラウンドではありますが、DAE で学んでいたのである程度基礎はできていました。

「Collaborate はボタンを押すだけで使え、何も難しいことはありません。数分あればアート担当のインターン生に Collaborate の使い方を教えることができるでしょうし、詳しいところまでひととおり見せるにしても、おそらく 1 時間もいらないでしょう。私たちが前に使っていたシステムだったら、教えるのに数週間はかかるのではないかと思います。その時間を Unity のアーティスト機能や、モデルとグラフィックをインポートするワークフローなど、当スタジオの新人コンセプトアーティストにとってはるかに重要なことを学習してもらうための時間に回すことができます」と Coeck 氏は述べています。

Mike Coeck, Managing Director at Cybernetic Walrus

「Unity Collaborate では、必要としている容量を利用できます。Unity から操作でき、とても直感的で使いやすいツールです。必要なときに以前のバージョンを復元するのも簡単です。無効になったプロジェクトがあったら、アーカイブ化しておけます。まったく非の打ちどころがありません」

Mike Coeck, Managing Director at Cybernetic Walrus

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